貧困の実態・状況把握と支援事業について | 「新しい枚方の創造」の実現に向けて」について

平成28年3月定例月議会 開催日:2016.3.4

  • 「子どもの貧困」とは、どのような状況のことを言っているのか、お尋ねします。
  • 子どもの貧困では、生きていくために最低限必要な衣食住を満たす生活水準以下の状態である「絶対的貧困」ではなく、その地域や社会における平均的生活水準よりも著しく低い状態である「相対的貧困」に着目しており、わが国は、先進国の中でも、その相対的貧困率の割合が高く、平成24年の国民生活基礎調査によると、日本の子どもの貧困率は16.3%で、およそ6人に1人の子どもが平均的な生活水準の半分以下で暮らしているとされています。
     
    貧困問題が深刻化する中、生まれ育った家庭の事情等に左右され、自己肯定感や自分の存在価値を喪失し、将来の夢をあきらめてしまうことにもなりかねません。
     
    いわゆる貧困の連鎖によって子どもたちの将来が閉ざされることのないよう、国においても貧困対策に関する法制定や子どもの貧困対策大綱の策定がなされており、本市においても子どもの貧困対策を総合的に推進する必要があると考えています。
     
  • 子どもの貧困対策として、子どもの貧困の実態や家庭の状況をどのように把握するのか、また、それらの結果を踏まえ、今後、どのように貧困対策に取り組んでいこうと考えているのか、お尋ねします。
     
    また、生活困窮家庭に対する学習支援事業については、各自治体で様々な形の取組みが行なわれていますが、本市の中学生を対象にした学習支援事業の状況と拡充の方向性についてお尋ねします。
  • 子どもの貧困対策については、昨年11月に子どもの課題対策検討プロジェクトチームを設置し、子どもの貧困に関する現状や課題の把握、子どもに関する既存事業の整理や先進事例の情報収集等を行い、有効な施策の検討を指示しているところです。
     
    新年度は、子どもの貧困対策を効果的に実施するため、小学校・中学校の子どもと親に対する健康・生活に関する実態調査を実施し、本市における子どもの貧困の現状把握や、貧困状態が子どもの成長に与える影響等についての調査・分析を行います。
     
    今後は、実態調査の結果や既存事業の取り組みの成果等も踏まえ、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、子どもの貧困を社会全体の問題として捉え、貧困状態の改善に資する新たな施策の立案や既存事業の拡充を検討するなど、総合的な子どもの貧困対策に取り組んでまいります。
     
    また、学習支援事業につきましては、本年2月から、市内の公共施設1か所で毎週土曜日の午後に学習教室を開催し、21名の中学生が参加されています。
     
    今後、対象世帯のニーズ調査などを行った上で、拡充策について検討してまいります。
  • 先日、子供の貧困について大阪市が6万人を対象に調査を行うと発表がありました。また大阪府でも調査を実施するとの事です。府とも連携し、また学力学習状況調査でも生活実態の調査が行われていますので、そうした内容も十分精査し、教育委員会とも連携していただき、重複することのないよう要望しておきます。
     
    学習支援については、拡充策の検討ということですが、学習の支援だけでなく、進学や将来に対する意欲の喚起や勉強することの動機付けなど、学習以前の、いわゆる入り口の部分も視野に入れた支援になれば、より効果的な対策につながっていくのではないかと考えますので要望します。