生きる力を育む教育について
平成28年12月定例月議会 開催日:2016.12.13
- 昨今の学校教育において、子ども達が競争する場面が少なくなっているように感じます。必要以上の競争は好ましくありませんが、子ども達同士が競い合い、切磋琢磨することで、成長していくことは教育上必要なことだと考えます。
学校現場で私たちが見る「競争」の一つに小学校の運動会の徒競走が思い浮かびますが、この徒競走で、順位をつける「1等」「2等」とかかれた旗、いわゆる等旗が、学校によって、あったりなかったりするようです。
例えば、運動会での徒競走の順位付けやそれを示す等旗の状況について伺います。 - 次に、4生きる力を育む教育について、お答えします。
平成28年度の小学校の運動会の徒競走において、順位を得点に加えている学校は、45校中43校で、いずれかの学年で等旗を使用し、順位を明らかにしている学校は、20校です。 - 生きる力を育む教育について二回目の質問です。
小学校の運動会で、順位を得点に加えている学校が45校中43校、等旗で順位を明らかにしている学校が45校中、20校で半分以上がそうでないとの答弁でした。現在、日本では、世界でもまれに見る速さで少子高齢化が進む一方、グローバル化の急速な進展により、人・物・情報の国境を越えた交流や流通が活発化し、国際的にも競争が激化している状況です。
このような世界をたくましく生き抜く子どもたちを育てることが、学校教育にも求められており、学校では、そのため、様々な場面で「生きる力」を育むための活動が展開されています。等旗に象徴されるように、子どもたちに一定競争を経験させることは必要であると考えますが、そもそも等旗を立てることについて、教育委員会はどのように考えておられますか。見解を伺います。 - 運動会については、学習指導要領の特別活動「健康安全・体育的行事」において、文部科学省が解説しているとおり、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うとともに、いたずらに勝負にこだわることのないよう配慮することが必要であると考えています。
その上で、等旗を立てることにつきましては、その子どもの頑張りを評価することに繋がるとともに、子どもたちが自身の自己肯定感を高め、互いを認め合うという教育的効果があると考えており、各学校に対し、等旗の必要性について指導しているところです。 - 運動会に限らず、学校教育の中では、公平性・平等性を求めるあまり、競争させたり、順位を示したりすることに、抵抗があるように思われますが、私は、子どもたちの「生きる力」を育むためには、時には競争の中で、勝敗や順位の結果に一喜一憂し、喜びが自信になったり、悔しさが心の糧になったりする経験をすることも必要になってくると考えます。
この点について、どのように考えておられるのか、教育長にお聞きします。 - 教育委員会としましては、子どもたちの「生きる力」の育成は、自己肯定感を高め、自信を持って他者と協働しながら、複雑化・多様化する時代をたくましく生き抜く力を育てることと考えており、そのため、運動会の徒競走をはじめとし、すべての教育活動の中で、子どもたちが互いに励まし合い、競争し合って、共に向上し、認め合える場面をつくっていていくことは重要であると考えています。
- 子どもたちの「生きる力」を育むため、順位をつけない結果の平等を求めるのではなく、すべての子どもがいろいろな場で輝けるような機会の平等を提供し、子どもたち一人ひとりの未来への可能性を最大限に伸ばし、これからのグローバル社会を担い、生き抜く力を育む教育を是非、推進していただくよう要望します。