不登校への対策について

平成26年第3回定例会(第4日) 開催日:2014.09.22

  • 小・中学校における不登校への対策について、質問します。
     
    平成26年8月に文部科学省が発表した学校基本調査の速報値では、全国・大阪府ともに不登校児童・生徒の割合が平成24年度より上昇しています。本市における不登校児童・生徒の現状と推移はどうなっているのでしょうか。また、その対策について、お伺いします。
  • 本市における平成25年度の不登校児童・生徒数は、小学校60人、中学校415人で、在籍児童・生徒に対する割合は、それぞれ0.26%と3.65%となっており、小・中学校とも、平成24年度と比較して、わずかではありますが、減少しております。
     
    不登校対策といたしましては、教育文化センターにおける枚方市適応指導教室や教育相談、また心理、福祉の専門家や教員、臨床心理士を目指す学生、退職教員等、さまざまな人材を活用して、児童、生徒の学校復帰、教室復帰に取り組んでおります。あわせて、小・中学校が積極的に連携を図り、個別の児童、生徒について情報共有する会議を実施することなどによって、小・中学校間の段差を緩やかにする取り組み等を継続して行っております。

    石田義明教育委員会事務局学校教育部長

  • 不登校児童・生徒数の推移については、小学校が0.26%、中学校が3.65%とのことです。速報値では、全国が小学校0.36%、中学校2.69%、大阪府は小学校が0.41%で、中学校が3.22%でしたから、中学校については全国・大阪府よりも高い数値であり、より対策が必要です。
     
    不登校対策の中身についても、一定わかりました。行っておられる対策については、必要なことだと思っています。しかしながら、不登校への対策は、不登校になってしまってから取り組むだけではなく、不登校にならないような取り組みも行う必要があるのではないでしょうか。
     
    先ほども紹介しましたが、平成25年度全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査において、自分にはよいところがあると思う、ふだんの授業では自分の考えを発表する機会がよくあると答えている児童、生徒が、本市では全国平均より低い結果となっています。自分の意見が認められ、自分に自信を持つことができれば、子どもたちは学校に行きたいと思えるのではないでしょうか。
     
    楽しい学校づくりを行い、子どもたちの自己肯定感や自己有用感を高め、学習や学校生活への意欲を喚起すれば、おのずと不登校は減っていくのではないかと思います。この点について、教育委員会の見解を伺います。
  • 不登校対策では、早期対応及び未然防止の取り組みが不可欠であり、学校におきましては、欠席、遅刻の目立ち始めた子どもたちなどに対し、教職員やスクールカウンセラー、不登校支援協力員などがさまざまな支援を行うことにより、早期対応、未然防止に努めているところです。また、不登校の未然防止には、学習面での基礎、基本の定着や学習意欲の育成、そしてコミュニケーション力の育成等、一人一人の子どもに寄り添い、子どもたちが笑顔で学校に通える取り組みが重要であると認識しております。
     
    教育委員会といたしましては、全国学力・学習状況調査の結果も踏まえ、基本的な生活習慣の確立や、人権尊重を基盤とした学校・学級づくりなどに重点を置き、子どもたちの自尊感情や自己有用感を高める取り組みを今後も一層推進してまいります。

    石田義明教育委員会事務局学校教育部長

  • 各学校では、不登校の未然防止、早期対応としてさまざまな取り組みをしているということを聞きましたが、一人一人の子どもたちの課題に対応できるためには、教職員の資質、能力の向上が不可欠であります。また、子どもたちが授業に集中できるように、授業のユニバーサルデザイン化、環境醸成も大事であります。 
    こうしたことに取り組んでいくためには、その担い手である教職員に対する研修が重要であると考えます。教育委員会としては、この点について、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
  • 教職員が一人一人の子どもたちにきめ細やかに対応することが不登校の未然防止、早期対応には大切であり、教職員の資質や指導力の向上を図る研修が必要不可欠であると認識しております。
     
    教育委員会としましては、すべての子どもたちがわかる、できることを実感できる授業を実現するため、教員として必要なスキルを学ぶ教材研究講座や授業の達人養成・教科研究講座、授業改善研修等を実施し、授業力の向上を図っているところです。
     
    また、子どもたちが他者とのかかわりの中で自分という存在に自信を持ち、人とつながることのできる集団づくりを目指して、学級経営研修や支援教育研修等、子どもたちの細かな変化も見逃さない、いわゆる子ども理解を深める内容の研修も実施しております。
     
    今後も、中核市として、本市の教育課題により対応した研修を実施し、教職員の資質向上に努めてまいります。

    石田義明教育委員会事務局学校教育部長

  • 最後は要望させていただきます。
     
    本市は、教育文化都市を都市ブランドとして掲げています。7月に開催された教育フォーラムでもさまざまな教育の取り組みを紹介されていましたが、こうした事象についても取り上げるべきだったと思いますし、どういうことが要因となっているのか徹底的に分析し、今後に対応していく必要があると思います。不登校への対策のために、心理や福祉の専門家、地域人材など、子どもたちを支援する人材の拡充も図る必要があると思います。
     
    さらに、中核市になったことによって枚方市として研修ができるようになったわけですから、今回の不登校のこともしっかり認識していただき、教職員研修を本市独自の課題に対応させ、子どもたちが楽しいと感じられる学校づくり、そして、子どもたちの自己有用感を高め、意欲を高めるといった根本的な取り組みを行っていただきたいと要望しておきます。