平成26年度の主要施策について

平成26年第1回定例会(第2日) 開催日:2014.03.03

  • (1)「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」について。

    総合計画の策定についてですが、第5次総合計画の策定について、「人口減少社会を迎えたとしても、多くの方から選ばれる魅力的なまちとなる」と述べられましたが、都市経営的には、あらゆる世代に選ばれることが望ましいかもしれません。しかしながら、幅広く来ていただくのではなく、戦略的にターゲットを絞って選んでいただけるように施策を展開していく必要があると思います。この「多くの方」というのは、どういった方をターゲットにしているのか、お伺いします。

    また、人口減少社会は避けられない現象であり、先日報告のあった人口推計でも、減少傾向は加速度的に落下を示しています。岩手県知事、総務大臣を歴任された増田寛也氏は、人口減少は簡単には止まらない。地方では、特に若い世代、20代、30代が急激に減っていて、深刻な状況に突入している。人口の問題は遠い先ではなく、今、現在進行形で起こっている問題と指摘しています。また、慢性疾患にもなぞらえ、簡単には治らないが、体質改善を行うのが早期であればあるほど効果は上がるとしています。

    人口減少、少子・高齢化は歳入減少にもつながり、自治体が崩壊することにつながりかねない問題です。こうした状況を踏まえると、総合計画には、もっと悪化するシナリオを想定した別の計画もあわせ持つべきと考えますが、そういった考えがないか、お伺いいたします。

    次に、生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度の導入について、お伺いします。

    岡林議員、福留議員への答弁にあったように、生涯学習施設と図書館の複合施設については、サービス向上と効率性の観点から、指定管理者制度導入に向けて準備を進めていくとのことです。

    少し観点を変えてお伺いしますけれども、生涯学習施設と図書館もそうですが、ただ指定管理者制度を導入するというだけでは、まだまだ足りないと考えています。例えば、本年度に指定管理者を選定されたメセナひらかた、市民会館、都市公園やスポーツ施設もそうですが、事業者を公募したにもかかわらず、軒並み1者の応募にとどまる結果となっています。

    指定管理者制度の本来の趣旨を発揮するには、やはり公募により、民間事業者等のよりよいサービス、またそれに要するコストを複数の候補者の競争により選定することが不可欠と考えます。民間のノウハウを生かせるような公募条件やインセンティブに係る検討など、民間の意欲を喚起する制度設計を検討すべきですが、いかがお考えでしょうか。また、今後の指定管理者制度の導入拡大に係る考えについても、あわせてお伺いします。

    次に、総人件費の適正化について、お伺いします。

    市政運営方針に、「行政改革実施プランに掲げる事務事業の見直しや効率化を通して総人件費の適正化を図る」旨、記載されています。私は、市役所のスリム化や業務の効率化を図る観点から、人件費の適正化や抑制を図ること自体については進めていくべきと思います。総人件費とは、単純な人件費として出てくる部分の適正化だけでなく、物件費の中の業務委託の人件費も含め、事業のトータルで考えていかなければなりません。業務委託を行う際に、しっかりとした分析が踏まえられているのかが肝心であると思いますが、見解を伺います。

    次に、不祥事撲滅への取り組みについて。

    不祥事の撲滅のために「公務員倫理に関する研修の充実に取り組みます」とのことですが、最近の職員による不祥事の事例を見ていますと、むしろ増えている状況であり、本当に撲滅できるのかといった疑問も感じます。従来どおりの取り組みではなく、何か新しい取り組みをお考えなのでしょうか。また、不祥事撲滅のためにどういったことに取り組み、それによりどれだけ不祥事が減るのか、具体的な見通しはあるのでしょうか。お伺いいたします。

    次に、市民参画と協働のまちづくりについて、お伺いいたします。

    平成25年度の市政運営方針では、「市民まちづくり基本条例を平成25年度中に制定します」となっていましたが、平成26年度の市政運営方針の中では、条例の制定については触れられていません。今後、条例の制定は考えておられるのか、見解をお聞かせください。

    次に、施設白書の作成について。

    主な取り組みとして記載されている施設白書について、その対象施設及び施設白書をどのように活用していくのかについて、お聞きします。

    次に、部の運営方針作成の本格実施について、お伺いします。

    部の運営方針は、新行政改革大綱に基づき、各部における選択と集中を実現するためのツールとして本年度において試行実施されており、平成26年度からは本格実施ということで、平成25年度の取り組み実績も含めて作成、公表されることとなっています。

    その年度において各部が取り組む重点施策や行革課題等を示すという、その取り組み自体はいいことだと思いますが、本年度も終盤を迎えたところで、この間、各部において、どの程度この方針を意識して取り組まれてきたのか、また、活用されてきたのか、口先だけのものになっていないかといった懸念もあります。また、未達成になっている内容がないのかなど、状況をしっかり把握し、次にどう生かしていくのかが重要だと思いますが、本格実施に向け、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

  •  次に、総合計画の策定でありますが、平成28年度を始期とする次期総合計画の策定につきましては、その準備作業の一つとして、人口推計調査を取りまとめたところですが、本市の人口は、30年後に約8万人の減少が見込まれている状況であります。そうした人口減少時代を迎える中にあっても、多くの方々から選ばれるまちとなり、いかにして定住人口を確保していくかが大きな課題になると考えています。

    次期総合計画においても、その定住人口の確保が大きな課題になるものと考えており、具体的には、総合計画審議会の中で、本市の状況に応じて御議論いただきたいと考えております。また、将来、想定する以上に社会情勢等に大きな変化があった場合には、計画そのものの見直しも含めて、柔軟に対応していきたいと考えております。

    次に、生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度の導入について、お答えします。

    指定管理者の選定における競争性の確保は、制度の趣旨を踏まえると重要であると認識しております。また、制度の導入拡大については、施設の設置目的や役割を踏まえた上で、効率的な管理運営と市民サービスの向上の両面から費用対効果の検討を行い、その適否を判断していく考えであります。

    次に、総人件費の適正化についてですが、民間活力活用業務の評価、検証については、民間の活力をより効果的、効率的に生かしていくため、その仕組み作りについて、行政改革実施プランに掲げたところです。平成26年度に実施手順等の実施要領を策定し、順次取り組んでまいりたいと考えております。

    次に、職員による不祥事の撲滅に向けた新たな取り組みとして、今年度、所属長を対象に、不祥事の原因の分析や未然防止などについて研修を実施したところですが、今後は、不祥事を起こさない風通しのよい職場環境づくりや、部下の労務管理における管理職の役割、職員自身のコンプライアンス意識の自己分析など、さまざまな階層の職員を対象とした多角的な視点からの研修を通じ、職員のコンプライアンス意識を高め、不祥事撲滅につなげてまいります。

    次に、市民参画と協働のまちづくりについて、お答えします。

    (仮称)枚方市市民まちづくり基本条例の制定に向け、審議会を設置し、議論をいただくとともに、一定、成案を答申としていただいたところですが、市民、関係団体や議会の中においてさまざまな御意見をいただいております。このことを踏まえ、条例制定に向けては、さらなる論点の整理が必要であると考えております。

    次に、施設白書は、昨年に策定した市有財産等の有効活用に関する基本方針に基づき、一定規模を有する施設を対象として作成するもので、さまざまな角度から個々の施設を検証するものです。

    今後の少子・高齢化などによる市民ニーズの変化や、施設の老朽化を見据え、施設の設置目的や機能の見直し、あるいは総量の最適化などを検討するための基礎資料として、当該施設白書を活用してまいります。

    次に、部の運営方針で掲げた取り組みにつきましては、部課長連絡会議において部内の職員への共有化を図るよう指示するとともに、必要に応じて、課題ごとに進捗の調書を求め、私自らがヒアリングを行うなど、着実な遂行に努めているところです。

    先般、平成26年度の本格実施に向けて、平成25年度の取り組み実績を取りまとめるとともに、その進捗や課題を踏まえた上で、平成26年度の運営方針の作成を指示したところです。
    竹内 脩市長

  •  次に、総合計画の策定について。

    今、総合計画策定について、多くの方とは、どういった方をターゲットとしているかということをお伺いしたのですが、多くの方についての具体的な御答弁をいただけませんでした。都市経営という観点から、担税力のある市民、将来の枚方を担う世代、若年層に定住いただける、新しく来ていただけるような方向性を打ち出すということが、まちの活力につながっていくものと考えています。具体的なターゲット、方向性を打ち出した計画を策定いただきますよう要望しておきます。

    次に、生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度の導入について。

    指定管理者の競争性の確保については、重要であると認識されているのであれば、民間事業者、団体から多くの応募があるような条件設定や募集期間を設定していくことが必要であります。さらなる民間活力の活用を図るよう求めておきます。

    次に、総人件費の適正化についてですが、繰り返しになりますけれども、総人件費とは、単純な人件費として出てくる部分の適正化だけでなく、物件費の中の業務委託分の人件費も含め、事業のトータルで考えていかなければなりません。万が一、同じ業務であるにもかかわらず、直営の方が人件費が高い場合、しっかりと説明責任を果たしていただきますよう要望しておきます。

    次に、不祥事撲滅への取り組みについて。

    多発する職員の不祥事については、今後もぜひ撲滅に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、不祥事がなくならない原因としては、不祥事を起こしても処分後にまた職場に復帰できるといった処分の甘さや、そういったことによるぬるま湯体質的なものがあるのではないかと考えます。また、取り組みとしても、研修など同じことの繰り返しで、不祥事撲滅のための市長の強い思いというものが周囲に余り伝わってこないように感じられます。不祥事がなくならない根本的な原因とその対応についてはどのようにお考えなのでしょうか、見解をお尋ねします。

    次に、市民参画と協働のまちづくりについて。

    これまでは条例を制定するとされていた今年度と比べ、トーンが変わったと感じています。さらに論点整理をするということは、条例制定は一旦ストップするということなのでしょうか、お伺いいたします。

    次に、施設白書の作成について。

    総量の最適化などの検討を行うとのことですが、施設を所管している部署だけで検討を行うのではなく、全庁横断的に検討する必要があると思いますが、どのような体制で推進していかれるのでしょうか、お伺いいたします。

    次に、部の運営方針作成の本格実施について。

    今年度からの実施で、まだ部の意識が高くないように思います。立てた目標は守る、守れない場合はその理由をきっちりと説明する。その振り返りを市民や議会にもお示しいただきますよう要望いたします。

  •  次に、不祥事に対する処分につきましては、人事院が示す懲戒処分の指針に基づき、厳正に行っております。また、不祥事の原因については、その要因を職員の資質だけに求めるのではなく、不祥事を起こさない職場環境や風土づくりも行う必要があると考えており、粘り強い研修の取り組み、また組織として不祥事を起こさない、起こさせない、風通しのよい職場環境をつくることも必要でありますことから、私自身ができるだけ各職場に出向き、不祥事撲滅への強い思いを職員に浸透させていくことにより、不祥事の撲滅に取り組んでまいります。

    次に、市民参画と協働のまちづくりに関連する条例制定でございますが、さまざまな御意見があるということを認識しております。したがいまして、先ほどもお答えいたしましたとおり、論点整理をしていくことが必要であると考えているところでございます。

    次に、施設白書の作成についてでありますが、今後、収集した情報を用いて総量の最適化などを検討し、市有財産の有効活用を戦略的に進めていくための有効活用計画を策定してまいります。この取り組みにおいては、新たに設置する戦略本部を効果的に機能させながら、全庁横断的に推進してまいります。
    竹内 脩市長

  • 次に、不祥事撲滅への取り組みについて。

    不祥事について、発生場所を見ておりますと、比較的出先機関が多く、目立つように思います。本庁からの指示や伝達を待ってもらう姿勢ではなく、各部の自助部分というか、それぞれで対策を行っていく体制構築を要望しておきます。
    次に、市民参画と協働のまちづくりについて。

    (仮称)枚方市市民まちづくり基本条例については、条例策定に当たり、審議会の委員に対し報酬を支払い、議論していたこともありますので、そういった意味で、一体何だったのかと思わざるを得ません。しかし、条例を作ることありきではなく、再度、論点整理するという柔軟、冷静な判断をされたことは一定評価いたします。そして、この先も、さらに論点整理が必要ということであれば、条例化はおやめになったほうがよいのではないかと思います。

    我が会派としては、協働の概念については賛成です。ただし、これまでも述べてきましたように、本当にこの条例を策定して、制定して何を達成したいのか。また、条例で位置付けするということであれば、これまで指摘してきたように、コミュニティーは民主的な運営、政治的中立性を確保できる仕組みにすべきであり、外国人参政権についても慎重であるべきです。全身全霊で参画と協働に取り組んでいただきたいと思います。
    次に、施設白書に関連して、総量の最適化については、総論賛成、各論反対になりやすい話ではありますが、市民の方々にも施設の維持コストや市の財政状況など開示しながら総量を圧縮し、未来の世代にツケを残さないように進めていただくよう求めておきます。