先日、3月議会が終わりました。議会最終日、26年度の予算をはじめとしてさまざま案件ありました。
最大の議論となった負担つき寄附(美術館の建物)の収受について、
未来に責任みんなの会の会派4人(岡沢議員・清水議員・木村議員・岩本)は反対しました。
反対討論が続出し、採決は残念ながら原案通り議決されるも、反対議員が10名でました。34名のうちなので、3割が反対したことになります。
ここまで来ても急がないといけない理由は、行政にもないのです。
慎重に議論し、準備を進めるべきでした。
その時のことを、反対討論の内容も含めご報告します。
まず付託されていた総務常任委員会の委員長報告がありました。
それから、会派を代表して清水議員が10分強の反対討論をしました。
まとめますと・・・
★寄附者の思いに対し、市としてしっかりとした調査や議論が不十分。
寄附を受けることありきで強引に進めようとする市の議会軽視の姿勢・あらっぽさ。
多くの疑問点・懸念点があるため、現時点では「賛成」するのは無理。
市長の選挙の公約にも年度当初の市政運営方針にも掲げられていない。
★施策評価の中で、文化・芸術分野は市民アンケートでも重要度は常に最下位に近い。浸水被害、保育所の待機児童問題等あるはずなのに優先順位の決め方が、非常に疑問
竹内市政における選択と集中という言葉がたいへん虚しく聞こえる。
美術館整備は、他市では整備にあたり委員会を立ち上げ数年かけ議論するぐらいなのに、議論の形跡がない。
★枚方市は40キロ圏内に、京都・奈良をはじめ国立美術館などあり、他にも有名な公立・私立美術館が多数存在。
枚方市で美術館整備は必要性・緊急性が高いとは思えない。
重要度・緊急度の低い施設を新設すること、それに伴い、公共施設の総量をどうするかについて提示がない。また大阪市においては美術館、統合の動きもあり、時代に即した考えであるとは思えない。
★寄付の申し出を受け半年以上経っているにもかかわらず、事業推進の課題やリスクの検討、事業効果予測やモニタリング検討、先進事例の成功・失敗要因検討など行われておらず、判断材料が乏しい。
★運営経費として年間約7,400万円が試算されている。
企画展等にも言及され、負担は大幅に膨らんでいくことが容易に想像できる。詳細な計画もない現状では負の遺産になる可能性が高く、将来世代に負担を残すことにつながる。
美術館の整備予定地 香里ヶ丘中央公園についても、問題。
市内のどの駅からも徒歩で行くことは困難で、枚方市民全体の利便性が確保できない。
★負担付き条件が「本市が収受物件を、寄附者の承認を得ないで美術館の用途以外の用途に供した場合には、寄附者は寄附に係る契約を解除することができる。この場合において、寄附者から請求のあったときは、本市は収受物件の建設に要した経費を負担しなければならない」
と用途変更に際しての期限の設定がなく、あまりにずさんであった。
議会の指摘により覚書を提示したが、期限の設定が30年間というのは、
変化の激しい時代にあって長すぎる。
場合によっては費用返還があるにもかかわらず、建物の価格などの額がわからないことなど、今後30年間にわたり、大きな負担が課せられる事業に対し、まだ議論が熟しているとは思えない。
市民への説明責任という観点で、コミュニティに対して説明しても、十分とは言えない。
★また、総務常任委員会の審議の中で、賛成の委員の方からも、議論の進め方や、そもそもの場所、財政負担の軽減策の具体的手法がないことなど、疑問や厳しい意見が数多く投げかけられていた。
また予算特別委員会でも厳しい意見、いずれにしても無条件で賛成という声は少ないと感じる。
ようするに、
・美術館の運営をする前に市としてやるべき課題があるだろう。
・それでも、寄贈を受けて、運営していくのであれば、諸課題について
議会に判断材料を提示し、市民に説明責任を果たさなければならない
・そのためには今の稚拙な議論で早急に結論を出さず、十分に議論しなければならない
よって、
私たちは「未来に責任を持ち、将来世代に負担を残さない」という会派の主義主張からは
現時点では賛成できない旨を表明する。
・・・といった内容です。
次世代にツケを残すな! これからも、愚直に訴え続けてまいります。