(長文)本日は全員協議会でした。
中司前市長の退職手当 2期分 約5,100万円を返還請求する事に対しての審査会への諮問と答申内容についての質疑。
(傍聴は席が埋まらんばかりのすごい人数でした。)

私は、後段でも述べますが、今回の返納には慎重に対応、というか反対の立場です。

今回、岩本は10人中10番目という事で、私より前に9人の方が質問されており、内容が被ることがあったのですが、以下について質問させて頂きました。

長文となっているので、時間が無い方は最終の意見、もしくは●以下の部分だけ見てもらえたら何が問題かをまとめていますので、割と理解いただけると思います。

~以下、内容要旨~~~~~実際は丁寧な口調です~~~~~~~~

【岩本】1 午前中の何人かの質疑の中で、平成13年の市民病院の院長の返納の話があった。中司前市長と同列に扱うように感じたが、事件の概要は?その時は罪状を認められたのか?

【答弁】1
当時の院長の事件では、控訴しなかった。返納請求を行い、払ってもらった。

【岩本】1 罪状を認められていたのであれば、何も問題ない。しかし今回は再審請求を予定している。今回の事件は異例であり、同列には扱えないのでは。

【岩本】2 審査会の議事録についてはWEBに公表されているが、結論に至る肝心な審議が非公開とされた。議事録にも載っていない。今後どう考えているのか?

【答弁】2
議事録は、全文筆記に近い要約筆記により作成、個人の氏名や非公開により審議した内容を除き、市ホームページにて既に公表している。非公開になった部分は情報公開条例に基づき取り扱う。

【岩本】3 もともと審査会が審議の重要な部分を非公開にすると判断したこと自体、著しく公平さを欠いているといわざるを得ない。
今後、情報公開条例にもとづいて請求があれば当然、黒塗りでは無く、全面公開となるか?

(答弁)3情報公開は、個人情報など、情報公開条例第6条各号に定める非公開情報を除き公開する。

【岩本】3 全てが黒塗り、非公開とならないよう、意見する。

【岩本】4 2期目の返納について、平成11年12月のいわゆるメトロ会談が
2期目の返納の理由にあたるとされている。
通常の事件では犯罪の実行行為があり、「罪となるべき事実」が認定され、その行為に対し返納が求められるもの。
しかし今回の談合事件では、公訴事実や判決の「罪となるべき事実」で共謀があったと明示されていないメトロ会談を重要な間接事実としている。
実行行為や共謀が行われたのでなくても返納の対象とするのは、明らかに拡大解釈だが、どのように判断したのか?

(答弁)4回目
判決は、「メトロ会談」において、前市長が本件実行行為者に対し本件清掃工場の受注を認める旨の発言をし、株式会社大林組が将来これを受注することについての「言質」を与え、これが「天の声」と受け取られたと認定し、前市長は、この発言を撤回することなく維持し所要の決裁を為すなどしたとして、その後の一連の作為、不作為を認定し、その行為の全体を総合評価して、「本件犯行を自己の犯罪として本件犯行に加担したものといえるから、本件談合の共謀共同正犯と認めることができる。」とされた。
「共謀」の認定は、一連の間接事実を総合評価して、「正犯性」を判断するものであり、「メトロ会談」における前市長の発言は、犯罪の実行行為ではないが、「罪となるべき事実」に記載されている「公正な価格を害する目的で、平成17年10月20日ころから同年11月10日ころまでの間に行われた入札の公正な価格を害する目的で談合したこと」への前市長の「共謀」を認定するに際して、平成11年12月末ごろに行われたメトロ会談における前市長の「言質」を重要な間接事実として扱い、談合罪と認定されたもの。本市としましては、判決内容に則して判断しているものです。

【岩本】4
メトロ会談の内容については、それを「天の声」と裏付ける物的証拠は何もない。
まだ建設工事時期や規模など具体には何も決まっておらず、
用地買収の目途すら立っていない時期のことで、判決内容については事実誤認が大いに疑われる。
百歩譲って判決の内容に基づいたとしても、メトロ会談は間接事実に過ぎない。
仮に返納が行われるにしても、犯罪の実行行為に基づいて行われなければならない。
判決で「罪となるべき事実」にあたらない行為についても、
判断次第で返納を求めることになれば、明らかに条例の適用範囲に対する拡大解釈である。
個人の重大な不利益処分を行うにあたって適用範囲を広げることは権限の濫用で、
極めて不適切な対応であることを指摘する。

【岩本】5  答申においては、退職手当の返納について、一定の裁量が存在し、
その裁量については合理的客観的な基準に基づいて判断されるべきだとしている。
そしてその客観的な基準について、「返納を命じられた者の生活が破壊されるといったことについても配慮することには一定の合理性がある」としている。
しかし、市は「生活が破壊される」かどうか、前市長の資産調査をする考えはないとのこと。
5,000万円を返納させて前市長の生活が破壊されないと、調査もせず、いったい、誰がどのような根拠で判断したのか。

(答弁)5 答申における「生活が破壊される」は、審査会が、退職手当の返納における裁量の客観的な基準のひとつとして「支給してからの時間的な経過」を挙げており、支給された退職手当が生活の基盤として使われてしまったことをもって、
退職手当の返納を求められた者の生活が破壊されることへの配慮について述べている。
今回については、支給してからの期間の中に、前市長が最高裁まで争った期間が含まれており、裁量を働かせる状況とまではいえないとし、資産調査するには至らなかったもの。
次に、審査会が全額返納を相当した点について、裁量権の行使に係る判断は、
他の合理的客観的な基準とあわせて総合的に行う必要がある。
審査会においては、「前市長の刑事事件に係る談合が職務に関する犯罪であったこと」、「市の最高責任者としての職責上の責任の重大さ」、「談合罪は故意犯であり、競売の公正を害する実行行為に重大な影響を与えたこと」、「本件刑事事件が本市の最高責任者である市長が、市の発注する工事において競売の公正を害する犯罪により、共謀共同正犯して処分されたことの重大さ」を考慮するならば、
裁量を働かせる状況とまではいえないとしたもの。

【岩本】5前市長が最高裁まで争っていた期間を差し引いても、2期目については支給から5年以上が経っており、十分な時間的経過があることから、その点は考慮せねばならない。

【岩本】6 さて最後に、今回、改めて全員協議会を行ったが、市はこの全員協議会の位置づけをどう考えているのか、退職手当の返納については様々意見があり、見解が出ている。
その際、市は議会の意見をどのように取り扱うのか、単に意見を聞きおくだけであれば意味のない場であるが見解を。

(答弁)6(市長)
前市長の退職手当の返納は、これまでも時機を見て議会に対して説明をさせていただき、また、一般質問などの機会を通じて市の考え等についてお答えしてきた。
今回についても同様に、条例の規定に基づく退職手当審査会からの答申について、
去る12月議会の途中におきましてご説明をしたが、質疑の時間を十分に取れないとのことから、今回、改めて答申内容についての質疑の機会とさせていただいた。
本日、いただきました質疑において一定ご理解をいただいたものとは思うが、
様々な見地・角度からのご意見については、その趣旨について真摯に受け止め、
手続きを進めてまいりたい。

【岩本・最終意見】
私は本日の質疑を通して、一定理解するどころか、前市長に退職手当の返納を求めることに対する市の姿勢についてし、益々疑問を感じた。とうてい理解できるものではない。
多くの先輩議員の質問においては、審議のプロセスや結論に何らかの問題を感じ、意見するものであった。
しかし、今の市長の答弁では、その趣旨を真摯に受け止めるとしながら、手続きは進める、といわれる。失礼ながら、何か、結論ありきの審議の在り方を感じる。

●個人の重大な不利益処分を行うにあたって公平・中立とは言い難い(審議会)委員の選任
●しかも、肝心なところを非公開にし、議事録も公開しない密室での審議
●諮問で根拠としていた条例が適用できないとして答申では根拠条例が変わるなど、
一番大事な根拠となる条例におけるあいまいさ
●「罪となるべき事実」と認定されていない、つまり刑罰の対象となっていない
2期目の間接事実を在任中の犯罪行為と拡大解釈している点
●10年も前に支給された退職手当を、個人の生活が破壊されるかどうかも調査せず
全額返納させるという乱暴さ

――――など、たくさんの問題点が浮かび上がってきた。

これらのことは、そもそも、いわゆる「官製談合ではなかった」とされるこの事件の特異性に全く触れず、単に判決文をまとめただけの昨年の「談合問題にかかる総括」をもとに、「返納ありき」で無理やり突き進む市の姿勢に起因するものだ。まずこれを見直すべき。

不明確な条例に基づき、しかも適用範囲を拡大解釈して適用し、重大な行政処分を行うことは、本来、行政が個人に対し不利益処分を行う場合は必要最小限にすべきであるという比例原則を大きく逸脱し、人権上、人道上の見地からも大いに問題がある。

これは、権限の濫用であり、市長による恣意的な行政にもつながる。
そして、恣意的な行政は、ひいては議会の意見を軽視することにつながるのではないかと危惧している。
質疑で他の先輩議員からも出された様々な意見を十分受け止めていただき、
このまま手続きを進めることなく慎重に再検討すべきということを指摘して、質疑を終える。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
他の方の質疑を聞いている限りは、
10人中2人が返還請求に賛成、8人は慎重もしくは反対派という風に受け止めました。

ただ、この全員協議会は何のために行われたのか、疑問です。
私が最後に質問した内容がまさにどう受け止めていくか、だったのですが。

質疑の結果を『真摯に受け止め、手続きを進めていく』

と、他の議員の質問にも同じように答えていましたが。
・・・何のための協議会だったのか、分からないことにこたえる時間という事なのか、議会は無視されるのか。

今日、腹が立つことがあって、とても違和感を覚えています。
感じ方はそれぞれだし、ここでは書きません。
今後、行政がどうしていくか、注視していきたいと思っています。

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