府内企業の人材確保支援について(大阪人材確保推進会議)

  • 生産年齢人口の減少に伴い、府内企業にとって人手不足問題は喫緊の課題であります。府内企業が人材を確保し、ビジネスの維持、成長を図るためには、多様な働き方の推進や生産性向上の取組支援など、総合的なアプローチを行う必要があります。
    私は、さきの一般質問や知事への要望提言においても、大阪の労働需給の将来推計を見据えた戦略的な取組の重要性について言及しましたが、人手不足の解消には、現状の止血のような対応だけでなく、将来の大阪における労働力の需要と供給を見据え、需要が供給を上回る業界に働き手が集まるような取組が必要になってくると考えています。そのためには人材が新しい仕事や業界へチャレンジする機運を醸成し、後押しする取組が重要です。
    府では、現在、府内企業の人材確保を支援するために、国や経済団体等と連携し、大阪人材確保推進会議を設置しており、女性や高齢者をメインターゲットに業界団体等とともに就業促進に向けた取組を行っているとのことでした。まずは、大阪人材確保推進会議における取組内容についてお伺いします。
  • 〇大阪人材確保推進会議は、人材確保を必要とする業界等及び当該業界等の企業のイメージアップや雇用促進などを目的に、府が業界団体、経済団体、労働団体などと相互に連携協力を図るため、平成二十八年十二月に設置いたしました。

    〇昨年十一月に開催した会議では、各業界の人手不足の現状や大阪における将来の労働力人口の減少などの情報を共有し、誰もが働きやすい職場環境づくり、就業意欲の向上とマッチングの強化、労働者の能力向上とキャリア形成支援の三つの視点で、構成団体と連携した取組を推進することを確認いたしました。

    〇本方針の下、府では、構成団体と連携し、採用力の向上や生産性向上の推進などを目的とした企業向けセミナーを実施するとともに、合同企業説明会や仕事体験の機会などを提供しております。

    〇委員御指摘のとおり、将来の労働力の推計や人手不足の現状を注視しながら、人材確保に悩む府内企業が必要とする施策を検討し、構成団体等と連携して人材確保に取り組んでまいります。

多様な人材活用促進業務改善コンサルティング事業

  • 府では、多様な人材の活用を推進する取組の一環として、スポットワークの紹介アプリを運営するタイミー社と連携協定を締結し、時間や場所に制約がある就業希望者などが未経験の職種への就業機会を促す取組なども行っていると聞いています。
    しかし、スポットワークは、仕事体験や新しい自分の発見などを促す一方で、企業が短期で働いてもらえる労働力を都合よく利用しているといった見方もあります。企業には、スポットワークの活用などにより人材確保を進めてもらいながら、こういった人材の適正な活用も促していくことが重要と思っています。こういった取組により、多様な人材による柔軟な働き方が社会で広く受け入れられる環境をつくり、ひいては人手不足の解消につながっていくのではないでしょうか。
    多様な人材の活用や柔軟な働き方の促進に係る府の取組についてお伺いします。
  • 〇府では、今年度より、大阪産業局に相談窓口を設置し、人手不足に悩む府内企業向けに、業務内容やプロセスを見直し、業務の仕分を行うことで、多様な人材の活用を提案するコンサルティング事業を展開しております。

    〇今年度の実績としましては、八月末時点で五百三十五件の相談があり、そのうち百七十二件について、スポットワーカーや副業・兼業人材の活用など、人材確保に向けた課題解決につながりました。

    〇委員御指摘のとおり、多様な働き方の促進には、スポットワーカーや副業人材などにとって働きやすい職場環境づくりを促すなど、人材だけでなく、企業による理解や取組も必要と考えております。

    〇今後、府でも相談窓口やセミナーの開催等により、多様な働き方の促進に加え、企業による適正な人材の活用への理解を促すことにより、府内企業の人手不足解消に向けた取組を後押ししていきます。
  • 府では、将来の労働力人口の減少を見据えた施策を展開しているとのことでした。しかし、労働力人口の減少は供給面からの見方であり、一般質問の際にも申し上げましたが、需要面の将来推計にもアンテナを張っていただきたいと思っています。現況としてそうしたものは把握をしていないということでしたが、未来の大阪における雇用、労働の状況を把握いただいた上で戦略的な支援策を展開してほしいと思います。そうした労働力需要の将来予測を行っていただきますよう要望しておきます。