枚方市駅前周辺再整備について
- 次に枚方市駅周辺再整備事業について、これまで我が会派から、スピード感をもって実現することを常々求めてきました。
が、これまで十分に対応していただいているとは感じていませんし、④⑤街区のまちづくりについては、なかなか目に見えた進捗が無いと感じています。
そのような中、③街区では、地権者主体による枚方市駅周辺地区市街地再開発組合により、令和5年度~令和6年度の初めにかけ、建物の完成を目指し取り組まれており、建設が進み目に見える形になってきたことから、市民の期待も高まってきていると感じます。
市では、連鎖的なまちづくりとして、総合文化芸術センター、③街区と進んできていますが、次の④⑤街区のまちづくりが本当に切れ目なく進んでいくのか疑問です。
そこで、市は先の総務委員協議会で新庁舎の位置条例を9月定例月議会に提案することを含めたスケジュールを示しておられましたが、議会としても判断をするにあたり時間と多くの判断材料が必要だと考えています。
市として、まちづくりを止めることなくスピード感をもって進めるためにどのように取り組むつもりなのか、伺います。 - (市駅周辺まち活性化部長)枚方市駅周辺再整備については、財政状況を踏まえながら早期実現を目指し、連鎖型まちづくりにより着実に取り組みを進めているところです。
現在、③街区では、枚方市駅前行政サービスの再編や⑤街区にある北河内府民センター機能が入る複合施設について、令和6年度の早期完成を目指し取り組まれている状況です。
そうした中で、北河内府民センター移転後の跡地利用などを含め、④⑤街区のまちづくりに大きな影響を及ぼすとともに、関係機関をはじめ地権者や事業者との調整や協力を得ていくためには、新庁舎の位置を明確にする必要があることから、本年9月に新庁舎の移転条例を提出し、令和5年度の都市計画決定など取り組みを進めて行く考えであります。
そのため、④街区の民間活力導入エリアについて、市民参画によるワークショップやサウンディング型市場調査を行ってまいりました。
これらに加えこれまで市議会から頂いたご意見も踏まえたうえで、土地利用計画やイメージ図、市負担額、経済波及効果などを整理した「④⑤街区の市有地を有効活用したまちづくりの考え方(案)」や財政シミュレーションなどをできる限り早期にお示ししたいと考えております。 - 〈ソフト事業について〉新庁舎の位置を含めた④⑤街区のまちづくりの進め方については一定理解しましたが、残された時間はあまりありません。
市としてもそのことを認識いただき取り組むようお願いします。
では、次に市駅周辺のまちづくりにおいてハード整備が進む中、もうひとつの大切な要素であるソフト事業、エリアマネジメントについてお聞きします。
市はこの3月、市民会館大ホール前の広場で、エリアマネジメントの社会実験を行われました。
内容は、私が過去から提案していたストリートピアノなど、賑わいや魅力づくりにつながるものだったと思いますが、議会への情報提供は不十分であったと考えています。
新型コロナの影響を考えながらも、よりよいものにするためにギリギリまで検討されることはいい事ですが、そのことで結果として市民への情報発信や議会に対する情報提供が不十分となると、本市の将来の姿を体感する機会の喪失につながります。
また、市駅周辺では市が実施されるエリアマネジメントの社会実験に加え、HUB協議会での取り組み、今後観光の取り組みとして観光地経営体、いわゆるDMO確立を考えておられるので、複数の関係者が同じような目的をもって取り組みを進めていくことになると思いますが、今後どのようにエリアマネジメントの社会実験に取り組んでいかれるのか、また情報提供について考えをお聞きします。 - (市駅周辺まち活性化部長)エリアマネジメントにつきましては、将来的に創出される広場空間の使い方や居心地の良さの検討を目的に取り組みを実施しており、まちづくり組織やまちづくりの担い手などと行政が連携し、地域特性を生かしながらまちを共に育て、価値を高めていく必要があるものと考えております。
将来的には多くの関係者が連携した中でより効果的なエリアマネジメントが進められることを意識しながら、引き続き、取り組みを進めてまいります。
また、情報提供についても議員ご指摘のとおり、できるだけ早期に準備を行い、議会や市民への丁寧な情報提供を行ってまいります。 - 〈特色あるまちづくりについて〉ここまで④⑤街区での取り組みスケジュールやソフト事業について確認をしてきましたが、これらを実現していくうえで大切となるのはどのようなまちの姿をめざすのかということです。
令和3年3月に策定の「枚方市駅周辺再整備基本計画」では、目指すまちの将来像を「再発進 ひらかた 人が主役のゆとりと賑わいのまち」と掲げていますが、具体的にどんな特徴があるのか確認します。
例えば樟葉駅では商業施設くずはモールが象徴的ですが、今後進める④⑤街区はどのような特色があるのでしょうか。
また、その取り組みを進めるうえで、市街地再開発組合が先日公開した第3工区施設建築物の完成イメージでは「七夕伝説やゆかりのまち」として天野川の流れの表現や「宗佐の辻」の道標をデザインモチーフとされるなど、象徴的な建物、いわゆるランドマークとなっています。
市としてまちの回遊性を向上するならば各街区にランドマークを複数配置することで、ランドマークを目的とした来街者の増加やまちを回遊する目的にもなると思いますが見解を伺います。 - (市駅周辺まち活性化部長)④⑤街区については、枚方市駅南口駅前広場から⑤街区に向けて連続した空間をランドマークとして形成するため、公園・広場機能を拡充し、公民連携で活かしていくことで、訪れた人の多様なニーズに対応できる魅力的なモノ・コト・ヒトに出会えるウォーカブルなまちを目指す考えでございます。
また、周辺への回遊性を高め、さらなる来街者の増加を図るためには、安全で、快適な歩いて楽しい空間を形成するとともに、歩いていきたくなる魅力的なコンテンツなどの配置や工夫も必要と考えており、今後、まちづくりの具体化にあわせて検討を行ってまいります。 - 〈サスティナブル、可変的なまちづくりについて〉ぜひ枚方の顔となる市駅周辺に、民間の手でランドマークを多数設置されるよう、仕組みを要望します。
また、まちづくりや市財源確保のために、一定の市有地売却や、それに伴う民間施設による賑わいも必要と思いますが、全てが重厚長大と言うか、大きな箱物では、魅力あるまちと言えず、時代の変化にも対応しにくくなると考えています。
サウンディング型市場調査の結果でも、「公園に面した部分を市が所有することで、持続的な賑わいが確保できる」との意見もあったとのこと。
再整備が完了したのちも、時代や社会の変化に柔軟に対応できる仕組みが必要と考えます。
先ほど④⑤街区の特色は、連続した空間であり、公園・広場機能を拡充することで、公民連携で活かしていく、との答弁もありましたが、公園・広場で例えば、ヨーロッパの市場のようなマルシェやキッチンカーなどの小さなコンテンツが自由に活用できる空間があることが、サスティナブルな賑わいや、本当のまちの魅力になるのではと考えていますが、持続的な賑わい創出に向けた市の考えについて伺います。
また、多くの方に枚方市駅前に訪れていただく取り組みを進める中では、バリアフリーはじめハード、ソフト部分の環境整備が必要です。
我が会派から令和3年12月議会において、子育て世代の対策として観光ステーションの新たな機能の中に、子どもの一時預り所の必要性について要望させていただきましたが、進捗状況についてお聞きします。 - (市駅周辺まち活性化部長)④⑤街区のまちづくりにつきましては、持続的な賑わい創出に向けた取組が必要であり、議員お示しの公園・広場において、市民によるマルシェやキッチンカーによる賑わい創出が可能な空間を確保するとともに、それを運用するために、一定のルールの基、柔軟に活用ができるエリアマネジメントの仕組みなどが必要と考えております。
昨年度より取り組んでおりますエリアマネジメントの社会実験などを行いながら、持続的な賑わい創出が図れる仕組みなどについて検討する考えです。
(観光にぎわい部長)観光ステーションの新たな機能については、現在、庁内委員会等で検討を進めているところです。
さらなるまちの魅力の向上を目指し、子どもの一時預り所以外の手法も含め、他市での成功事例等を参考にしながら、観光の促進に効果的な機能について、検討を進めているところです。 - 〈まちなかアリーナについて〉3街区は、枚方市駅周辺再整備の中で目に見えて動きが出ており、市民も注目している重要な拠点であります。
そうした意味では、保護者対象のアンケートでも一番ニーズの高い一時預かりの施設を入れることは、市として子育て支援に対する姿勢を打ち出すことにつながると考えます。
子育て支援に資する取り組みをよろしくお願いいたします。
また、平成30年12月の一般質問で、私から、まちなかスタジアム・アリーナについて質問させていただきました。
日本政策投資銀行が提唱しているスマート・ベニュー構想の「まちなかにスタジアム、アリーナ」を例にして、枚方市という近畿圏で中心に位置する自治体ならば、スポーツ観戦や、コンサート、物産展など交流拠点となることも期待ができ、枚方市のさらなる成長にも寄与するという内容です。
「まちなかのスタジアム、アリーナ」は、市街地中心部に近い町なかに集客力の核になって、にぎわいを生むというもので、機能も多様で、公共施設だけでなく民間のショッピングやエンタメの機能も入れたものとされます。
今回のサウンディング型市場調査でも、「多目的アリーナ」の提案があったようですが、アリーナについては、⑤街区への配置の提案も合わせてあったとのことです。
枚方市駅周辺のポテンシャルとして、「多目的アリーナ」の提案は理解できますが、先の「まちなかスタジアム、アリーナ」の考えを踏まえると、私は、④街区へ配置することで、まさに多機能で魅力的なものになるのではと考えます。
仮に、⑤街区へ配置とするのであれば、アリーナに至るまでの公園・広場でより賑わいを創出する仕掛け・導線などが必要と考えますが、市としての考えを伺います。 - (市駅周辺まち活性化部長)⑤街区への多目的アリーナにつきましては、まち全体の賑わい創出や回遊性向上、④街区の公園・広場を含めた土地の有効利用、新庁舎との機能連携の可能性など、アリーナを配置することで、まちの魅力をさらに高めるコンテンツであると認識しています。
例えば、アリーナにおける様々なイベントの開催にあわせて、市駅からの動線となる公園・広場や、民間施設とも連携した賑わい創出といったソフト面での工夫などについても、アリーナの実現性とあわせて検討する考えです。 - 〈企業版ふるさと納税について〉アリーナの実現性を検討するとのことですが、私は、財源の確保が最大のハードルと考えます。
現時点では、企業版ふるさと納税の活用などにより、市の財政負担なしで検討される中、財源がまかなえない場合も想定されますが、市の見解をお聞きします。 - (総合政策部長)企業版ふるさとの寄付は、一昨年の法改正により令和6年度までは、最大で寄付額の9割の控除を寄付企業が受けられるなど、企業側にとっても従前と比べ非常に有利な税制となっています。
また、多額の企業版ふるさと納税の寄付によってアリーナ建設が実現している他市事例もあり、本市としてもアリーナの財源確保に向けて、このような有利なメリットを企業側に伝えるなどして積極的に働きかけてまいります。 - 〈位置条例がスタート、将来像を共有しながら〉明確に答弁はいただけませんでしたが、仮に財源が賄えない場合、安易に一般財源・起債を使って建設すべきではないと思います。
また本市では、9月定例月議会での新庁舎の位置条例の提出を目指しているとのことですが、あくまで位置条例はスタートであり、どのような庁舎になるのが重要だと考えます。
先ほどのエリアマネジメントの社会実験でも指摘しましたが、検討段階においても、市民や議会に対して、本市の将来像をしっかりと共有しながら進めることで、より良いアイデアが生まれ、時代に合致した新庁舎になると思います。
そこで、今後、作成するとしている新庁舎の基本計画では、どのような観点で検討を進めていく考えなのか伺います。 - (市駅周辺まち活性化部長)新庁舎整備基本計画について、窓口サービスのあり方や職員の働く環境などを含めた庁舎規模の検討は重要な要素の一つであり、昨今のDXに関する国の動向や環境の変化については、注意していくとともに、④⑤街区のまちづくりの進捗にあわせて取り組む必要があると考えています。
さらに、本基本計画の策定に際しては、検討内容を市民や議会へ適宜発信し、共有するとともに、しっかりご意見をお聞きしながら、時代に即した庁舎となるよう、行政サービスを取り巻く状況などを見極めながら検討を進めていく考えです。 - 今ご答弁にありましたように、議会ともコミュニケーションを取りつつ、市民とも共有をはかり、様々な観点で時代に即した庁舎の基本計画となるよう、要望します。