観光交流施設の整備について

  • 先般、幼児療育園跡地の観光交流施設整備に対して、市民から多額の寄付がありましたが、枚方宿地区については20年来、地元まちづくり協議会と行政の協働でまちづくりが進められてきました。
    そこでまず、これまで進められてきたまちづくりの経過を含め、当該地の経緯についてお聞きします。
  • 本市では、平成10年に都市景観形成要綱を定め、魅力的で良好な都市景観の形成を推進する重点地区として、枚方宿地区の歴史を生かしたまちづくりに取り組んできたところです。
    平成12年には、国の街なみ環境整備事業を活用して枚方宿地区の整備方針を定め、その中で、三矢公園付近を宿場町の本陣跡周辺整備として位置づけを行いました。
    地元まちづくり協議会においても、かねてから本陣跡周辺の整備を要望されてきましたが、幼児療育園の移転に伴い、平成30年に正式に地元まちづくり協議会ほか7団体から、その用地を活用した整備の要望書が提出されものです。
    その後、本市においても観光交流施設として活用の検討を進めてきましたが、本年10月に市民の方から整備のための寄付申出を受けたものです。
  • 観光交流施設の整備について、経過については一定理解しましたが今後、市として枚方宿地区をどのように位置づけ、そしてどうしていきたいと考えているのでしょうか。
    また、淀川の舟運を活かすという観点から、例えば八幡市の三川合流地点にあるさくら出会い館と結ぶなど広域連携も視野に入れることが重要ですが、見解をお聞きします。
  • 枚方宿は本市発展の礎となった地区であり、市の個性を表すとともに、市民に地域への誇りと愛着を育む重要な地域資源の一つであると考えています。
    このことから、枚方船着場から枚方宿、枚方市駅周辺地域を面で捉えて、歴史的なまちなみや淀川の自然、市駅周辺の商業集積、そして来年秋オープン予定の総合文化芸術センターなどを活用し、さらなる魅力の向上とにぎわいの創出を図っていきたいと考えています。
    また、そのためには本市だけでなく、八幡市をはじめ、淀川や京街道で結ばれる他都市とも連携を図り、広がりと厚みのある観光施策を展開していきたいと考えております。
  • 幼児療育園跡の観光交流施設に対しては、五六市をはじめ、長年まちづくりを進めてこられた地域の期待も大きいと思います。
    今後、施設の具体像について、地域との調整はどのように図っていくのか、お伺いします。
  • 本市では、地域から要望書をいただいて以降、意見交換を行うとともに、まちづくり協議会が枚方宿地区の将来を考えていくために設置された街道プロジェクト会議にも参加し、話し合いを行っているところです。
    まちづくり協議会には、地元7自治会に加えて、宿場町枚方を考える会など地区に関係する団体も参画されていることから、同協議会を中心に地域の意見を十分にお聞きしながら検討を進めていく考えです。
  • このような観光や交流といった施設の整備、また、管理運営には、民間の力を最大限活かしていくことが重要です。
    民間の力を十分に引き出すためには、建物を建てるだけではなくて、まずは市として観光に対する考え方、すなわち市の観光施策において当該施設の位置づけや意味合いを打ち出すことが重要であります。
    市の見解をお聞きします。
  • 本市では、平成30年3月に「観光施策に関する考え方」を策定しましたが、それに基づく具体的な施策の展開等について、戦略性のある方針を定めていく必要があると考えています。
    観光交流施設の整備は、その方針との整合を図りながら進める考えです。
  • 人口が減少していく中、公共施設の総量を削減していくことが求められるとともに、必要な施設でも、ランニングコストを含めトータルでコストの圧縮を図ることが必要です。
    そのためには、民間の発想を柔軟に取り入れるとともに、民間の力で管理運営が行われ、それがまちづくりの一翼を担っていくことになれば、枚方宿地区のにぎわいや活性化にもつながると考えます。
    当該地の規模はさほど大きなものではありませんが、設計段階から管理運営のこと考えていくために、例えば、設計から管理運営までを一体的に発注するDBO方式は有力な選択肢の一つであると思います。市はどう進めようとしているのか、考えをお伺いします。
  • 観光施策に関する方針の策定と並行して、施設の内容や管理運営、整備手法等について専門家や民間事業者の意見も聞きながら検討していきたいと考えています。
    その中で、施設の設計と管理運営を一体的に発注するPPP手法等についても検討を行い、特に施設運営にあたっては、市の財源に頼らず、民間の「稼ぐ力」が十分に発揮されるよう取り組みを進めてまいります。
  • 単なる従来型の公共施設ではなく、民間活力の導入により、枚方宿、ひいては枚方市駅周辺全体のにぎわい創出につながる特色ある施設として整備してもらいたいです。
    また枚方宿の活性化には、舟運を活かすことが不可欠であると考えますが、船着場からの距離が少しあるため、下船された方は、鍵屋まで来るのがやっとで、なかなか京街道の町並みを歩いていただくことにはつながっていないように思います。
    そこで、以前にも申しておりました、グリーンスローモビリティ導入を考えてはどうかと思います。
    まずは枚方市全体としての観光に対する戦略方針が必要であり、その上に施設の必要性や位置づけが出てくるものと思いますので、建物ありきで進められることのないよう意見しておきます。