枚方市駅前周辺再整備

全員協議会 開催日:2020.12.4

私で12番目、最後の質疑となりますが私なりの角度で質疑いたします。

  • それではまず、財政面についてお聞きします。
    今回の資料では、「Ⅲ.全街区を見込んだ場合」として、新たな財源に10億円を確保できる場合の数字が示されています。
    これを見て、いよいよ伏見市長も本気を出してきたなと、奥の手の10億円を出してきたなと受け止める一方で、この10億円という数字には、非常に唐突な印象があります。
    これまでも行政改革を進め財源を絞り出してきた上に、さらに10億円もの大金を確保できると試算されていることは、その裏付けがあるのか、どこまで信用できる数字なのか、非常に気になるところです。
    10億円を確保できる場合として示されるからには、それなりの見込みがあってのこと思いますが、どのように見込んでおられるのか、お聞きします。
  • (総合政策部長)新たな財源としての10億円につきましては、どのような状況であれば全街区において事業展開が図れるのかについて明確にするため、実質収支の10億円台を維持することを前提に、必要となる財源としてお示ししているものです。
    現時点におけるその見込みとしまして、現在検討を進めておりますFMひらかたの放送委託料や、京田辺市との共同処理に伴う事業系ごみ手数料の見直し、また、道路占用料の適正化や総人件費の削減などを想定しており、その他、新たな取り組みについても行うことで、この財源については、一定確保できるものと考えております。
  • 10億円を確保できるとのことですが、確保できるとした取り組みが達成できるかどうかは、いずれの取り組みもまだ正式に決定したものでもなく、誰にもわからないわけで、これが無理のある10億円であれば、仮にこのうち1つでもネジが外れると、シミュレーションは崩れ落ち、たちまち市駅周辺再整備事業は立ち行かなくなることになります。
    このことが本市にどれほどの影響を及ぼすかは、市長自身が最も理解されていると思います。
    新型コロナウイルス感染拡大により、税収の落ち込みが大きく、厳しい財政状況と言われますが、市民も事業者も厳しい状況であることは同じです。
    こうした状況下で、多額の財源を投じてでも必要と考える事業なら、市長自身が、粘り強く、市民の理解、協力を得る努力をしていくべきではないでしょうか。
  • (市長)市駅周辺再整備事業は、雇用の創出や売上額の増加など、多くの経済波及効果が期待され、その効果については、市駅周辺のみにとどまらず、市域全体への広がりについても期待できるものであり、なんとしてでも進めるべき最重要課題であると考えています。
    事業の推進にあたっては、多くの財源が必要となりますが、私が先頭に立ち、これまで以上に財源の捻出を図るとともに、市民への説明責任を果たしながら、本事業を着実に進めていく考えです。
  • なんとしてでも進めるべき最重要課題というのであれば、市長としてどういう立ち回りをしなければならないのか、また限られた財源の中で公約施策も含めどう優先順位をつけていくのか、またこうした全員協議会ふくめ議会ともどう向き合っていくのか、こうしたことに留意して取り組んでいただきたいです。
    また、着実に進めていく考えということですが、これも計画倒れで終わらないよう、市民の目に見える形で取り組みが進められるよう要望します。
  • 次に、市駅前周辺のまちづくりを進めていく観点でいくつかお伺いします。
    まず、枚方市民会館の大ホールについては、閉館した状況が続いており、はじめに手をつけていく必要があります。
    来年度には総合文化芸術センターがオープンしますが、現時点でも、所管部署から雨漏りなど管理上の課題があるとお聞きしています。
    いつまでこの様な状況を放置しておくのか。
    先ほど奥野議員からもありましたが、市民会館第ホールは枚方市市有建築物保全計画においても第3期から外れていく予定でもあります。
    使われていなければ、管理している側の目も届かないと思いますし、老朽化の進行で外壁の落下なども心配になってきます。
    そうしたことを踏まえ、跡地の有効活用を早期に検討する必要があると考えていますが、市の見解をお尋ねします。
  • (市駅部長)現市民会館大ホールの有効活用については、枚方市駅周辺再整備を進める上で喫緊の課題であると認識しています。
    本市としては、当該施設を含むまちづくりを出来る限り早期に実施していくため、ステージ1-1の事業化により、④⑤街区のまちづくりを先行し、令和5年度に解体工事を着手できるよう目指してまいります。
  • ご答弁では大ホールの解体工事を令和5年度に着手できるよう目指す、とのことでした。
    とすると少なくとも3年間はこのままということになります。
    これまでの枚方市駅周辺再整備を巡る遅れを見るに、それ以上の期間、このままとなる可能性も高いです。
    この大ホールは、枚方市駅周辺再整備事業における一つの象徴と捉えています。
    ニッペパークも含めての大空間が広がれば、景色が変わり市民の中で再整備への期待を高めていくことに繋がります。
    跡地は、一等地でもあり民間の力を借りることで様々な活用が見込めるはずです。
    今のご答弁より前倒ししての解体、そして跡地の暫定活用について検討実施いただくよう要望します。
  • また、④街区のまちづくりを先行して進めるということですが、未来を見据えた駅前の魅力ある大空間を作っていく必要があると思います。
    これまで再開発と言えば、重厚長大、大規模な商業施設、高層マンションといった縦に積んでいくようなコンテンツが価値あるものとされてきましたが、これからは空間というものも価値となる、魅力を生み出す鍵となってくるように思います。
    多様化するニーズに対応、様々な活用が行えるようにしておくことが価値を最大化させることにつながっていくと思います。
    私としては例えば、ヨーロッパの市場やバザールのように、様々な魅力的な売り場が軒をつらねて、行き交う人が楽しめる空間を創出してはどうかと思います。
    さらに市内で生産された品が店先に並んでいる。
    市駅周辺再整備はハード整備という印象が強く感じますが、ハード・ソフトをうまく組み合わせて、田口議員からもありましたが全市域にその効果を波及させていく必要があると思いますが、市はどの様に実現しようと考えているのかお尋ねします。
  • (市駅部長)②④⑤街区のまちづくりを進めることで、議員ご指摘のとおりニッペパーク岡東中央を核とした②街区から④街区に連続性のある大空間の段階的な確保を目指してまいります。
    さらに、そうした空間を活用して、まちの魅力や価値を持続的に育めるようエリアマネジメントの仕組みを導入し、行政だけでなく市民をはじめまちづくりに関心のある人を増やし、そうしたまちづくりの担い手が主体的に新たな賑わいの創出や交流の促進につながるソフト事業を展開するなど、全市的に効果が波及できるよう努めてまいります。
  • 本年は新型コロナウイルス感染症の影響から、社会も大きく変わってきました。
    これから数年も社会環境のさらなる変革が予測されます。
    そうした中でこの枚方市駅前をより発展・成長させていくために、単にハード整備で終えるのでなく、その先の活用を見越し、はじめからハード・ソフトの両面を意識しながら取り組みを進めていただけるよう要望したいと思います。
    こうした観点からは、枚方市駅周辺再整備というミッションが本当に今の組織体制で推進していけるのかというと疑問もあります。
    今後の計画推進の中では、より多面的な展開ができるような市役所内の組織改編もあわせて要望します。
  • さて昨今のコロナ禍に伴う新しい生活様式として、ハンコレスやオンライン申請など市役所での手続きの手法が、デジタル化へと大きく変わろうとしています。
    この様な社会状況の変化を踏まえると、③街区での窓口機能については、申請手続きなどの方法を、ICTなどを積極的に活用していき、先進的・未来的な新しい窓口サービスのイメージを持って検討をしていく必要があると考えます。
    そこでこの③街区の窓口機能において、未来の市役所の窓口サービスの実証実験的な位置付けとして取り組むことで、今後予定している新庁舎整備においても反映することが可能ではないかと考えますが、市の見解を伺います。
  • (市駅部長)令和5年度に開設を予定しています③街区における新たな市民窓口については、国の動向を注視しながらICTなどを活用することで、転入出に関する複数の手続きが1か所で行えるよう検討します。
    また、その検討内容につきましては、新庁舎における行政サービスの考え方にも活かしてまいります。
  • 3街区での市民窓口では、ICT活用により、転入出における複数の手続きを1箇所で行えるよう検討する、とのことでした。
    新しいチャレンジには一定期待するものですが、しかし今後物事を推進していくにあたっては、さきの質疑でも有山議員・木村議員から意見がありましたが整合性を図る、庁内でしっかりと連携し共有が図られるよう、また部長も状況を把握できるよう取り組んでいただきたいところです。
    また③街区の再開発施設の取り組みが進んでいますが、本市には特色のある大学が5つある中で、大学のサテライト機能は市駅前のまちの魅力を高めていくコンテンツの一つになりえます。
    ③街区の再開発施設に市の関連する機能が予定されていますが、他の商業、業務機能に加え、大学サテライト機能を誘致していくことで、さらに特色のある施設となり、他の施設ともそれぞれの特色に応じた棲み分けも可能になると考えます。
    そうした意味で市としても、再開発組合と大学関係者とのマッチングなど積極的に働きがけを行うなど、魅力を高める機能の誘致を行っていただくことを要望しておきます。
  • 次に新庁舎整備について、出来る限り分散している庁舎機能を集約するという考えの基、新庁舎整備構想素案が作成されていますが、これからはICT技術の発展により、バーチャルでの意思疎通が可能なるなど、これまでの概念とは大きく変化することが予測される中、市駅周辺だけでなく既存の市有施設をもっと有効に活用することや、将来の人口減少を見据え、③街区で整備しようとしている仮称市民窓口をしっかりとしたものにし、新庁舎の規模を更にダウンサイジングしていく必要があると思いますが、見解をお尋ねします。
  • (市駅部長)新庁舎整備基本構想を基に、今後も公共施設マネジメントの観点から既存施設の活用や今後のICTの進展を見据えた行政サービスのあり方などの検討を継続し、今後、策定を予定しています新庁舎基本計画の中で、改めて適正規模をお示しする考えです。
  • 今後の検討の中で、改めて適正規模を示されるとのことでした。
    様々な状況を踏まえて検討がなされるとは思いますが、一つは3街区での行政サービス展開、ICT活用が重要なモデルになろうかと思います。積極的な取り組みを要望します。
    また、市駅周辺再整備は多額の市負担を強いることになりますが、実施するということであれば、全街区の早期実現に向け、課題となっている市負担については、引き続き、事業化するまでの間に、新庁舎の内容をはじめ市駅周辺再整備事業全体を見渡し思い切った経費削減を検討すべきと考えますが、市長の見解をお聞きします。
  • (市長)未来における住民生活の維持・向上をめざし、必要となる市駅周辺再整備を実施します。
    そのために、全街区のまちづくりを見据え、引き続き、様々な角度から必要な検討を行い、しっかりと進めていく考えです。
  • コロナ禍などにより、今後の社会情勢などの先行きに対して多くの市民が不安を感じていると思います。
    その意味では再整備事業についてもこれまで以上にその事業費について説明が求められてきます。
    今回の全員協議会においても、市の財源確保策を含め長期財政の見通しや事業費などに対する意見が多くあったと感じます。
    社会情勢も踏まえ、必要な検討を行っていただき削減の努力も行っていただきたいと要望します。
    一方で、こういう閉塞感の漂う状況だからこそ、順次、再整備に着手し風穴を開けてまちの風景を変えていく必要があるとも考えます。
    これから、枚方市が目指すまちづくりを進めるというのであれば、市民に対しても市の考えを説明し、まちづくりによる期待感を醸成していくことはとても重要であると思いますが、市の見解をお尋ねします。
  • (市駅部長)コロナ禍に伴う税収の落ち込みなどが想定されている中、市の財政見通しは非常に厳しい状況であることを認識しておりますが、再整備基本計画(素案)でお示ししていますとおり、既存の基金を活用することで市の財政運営に影響を与えることのないよう進めることが可能なステージ1-1を早期に進めることで、商業や業務、住居といった機能などと併せて、公園・広場を活用した賑わいの創出などの効果を今後、予定しています市民説明会をはじめ、ホームページや様々な機会などを通じて説明することで、再整備に対する市民の期待感が高まるよう努めてまいります。
  • 枚方市駅周辺再整備については、本市にとっては重要施策の一つであり、これまでからスピード感を持って実現することを常々、求めてきました。
    毎年のように定期的に全員協議会が行われますが、毎回後ろ倒しになっている感が否めません。
    この市長任期の中で小さくても何かをやりきる。
    そういう締切を設定してことに臨まなければ、今後は担当部ベースでは物事は進んでいかないと思います。
    また本年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威をふるい、先日も大阪府の医療非常事態宣言があったように嵐の真っ只中です。
    先が見えない時代、厳しい状況の中で市駅周辺再整備事業を推進していくにおいては、市長ご自身の思いや決意をしっかり言語化し、その上で結論ありきではなく、議会はじめ市民への丁寧な説明と意見の聞き取り、地権者などの各利害関係者とも粘り強く話し合い、その中で合意形成を図っていく努力がこれまで以上に求められてきます。
    市民の理解度・期待度を高めながら、さらに多くの市民に後押しをしてもらえるような再整備を推進いただくよう要望して質問を終わります。