枚方市の産業振興について
令和2年6月定例月議会 開催日:2020.6.22
- 枚方市の産業振興についてお伺いします。
今回、本市独自の支援策として、例えば「デリバリー支援事業」を実施されていますが、事業の内容を見ますと、大阪府が行った事業との違いがわかりづらく、ただ単に府の後を引き継いで市が行うようにも見えます。
まず、今回の枚方市のキャンペーンを活用して、どれだけのデリバリーサービスが利用されたのか、お聞きします。 - 本市独自の取り組みである「デリバリー支援事業」につきましては、参加店舗の負担となる、10%のサービス利用料を市が全額負担すること、また、デリバリー利用者が注文する際に付与するポイントを、使途に制限がないラインポイントとするなど、大阪府の事業との差別化を図りました。
なお、6月1日より開始した、本市独自のラインポイントキャンペーンを利用された件数・実績は、約4,900件となっています。 - デリバリー支援事業の実績や大阪府との差別化のポイントをお聞かせいただきましたが、先日の全員協議会での報告では、一番の目的とされた店舗増加数は14程度とのことでした。
枚方市内の飲食店が約1200店舗ということを考えると、市として選択肢を広めるところまではでききれていなかったと思います。
また、緊急事態宣言解除後の状況として、社会経済活動の復帰を目指す流れが広がってきており、飲食店においても、デリバリーというより来店促進、テイクアウト等にシフトしていきたいという声を聞きました。
一つの事例ですが、他市ではテイクアウトの食器を支援する施策を展開しているところもあります。
もちろん、このデリバリー支援事業を否定するものではありませんが、大阪府がデリバリー支援を発表したときのメッセージ性と比べると、枚方市としては他にやりようがあったのではないかなと思うところです。
このような、新たな取り組みを検討する際は、あらゆるチャンネルを活用し、アンテナを広げ、自治体・枚方市でしかできないような取り組みを行っていただきたいと思いますが、政策形成の段階で、そうした施策に関する情報収集はどのように行われているのか、お聞きします。 - 今回の新規事業の検討段階では、金融機関や地域経済団体等からの情報収集を行い、取り組みを進めてまいりました。
今後、新たな取り組みの検討に向けては、様々なジャンルの専門家にも意見を聞くなど、広く情報を収集し、施策展開につなげてまいります。 - 情報収集のチャネルの幅を広げていただくことはもちろんのことですが、社会状況は変わっていくものと捉え、集めた情報についてそのまま咀嚼するのではなく次に、どういった社会になっていくのか、どのような施策が求められるのか一歩先を見据えての政策形成が求められてきます。
とくに商業産業は環境がこの間で大きく変わってきており、またこれからも変化していきます。
そうした認識を持って取り組んでいただきたいと思います。
さて産業振興には観光も含みますが、枚方市内には商業・工業地をはじめ、住宅街・団地・山・川など様々なロケーションがあります。
まちが一色ではなく、様々な切り口をもっているというのも、枚方市の一つの特色と思います。
この恵まれたロケーションを映画やドラマのロケ地に使うことで、その地が枚方ブランドになり、聖地巡礼として来訪者が増え、ロケ地周辺の商店街や飲食店が盛り上がると思います。
全国的には、こうしたロケ地の誘致や撮影支援については「フィルム・コミッション」といった組織が設置され、中には自治体がフィルム・コミッションを設置し誘致活動を展開しているところもあるようです。
枚方においても、こうした機関を活用し、映画やドラマなどのロケ地を積極的に誘致してみてはどうかと思いますが、お考えをお伺いします。 - 映画やドラマなどのロケ地の誘致についてお答えします。
本市は、「フィルム・コミッション」の一つであり、府内26自治体と企業26団体で組織し、大阪への映画やドラマのロケ地を誘致する支援団体である「公益社団法人 大阪観光局 大阪フィルム・カウンシル」の会員であります。
大阪フィルム・カウンシルの実績としましては、同会員である門真市にて撮影された、福山雅治主演の海外映画「マンハント」が2017年に上映されております。
本市としましても、積極的に情報収集を行うとともに、誘致の実現に向け、尽力してまいります。 - 公益社団法人大阪フィルム・カウンシルに所属していることをご答弁いただきましたが、この団体のHPで枚方市を検索しても、殆どロケ地となる候補の情報が出てきません。
要するに、登録はしているものの、特に動いているわけではないものと思います。
しかし、同団体の関与ありなしは別として、枚方市内ではこれまでに何度か映画等でロケ地として使われています。
まずは、行政としてもこうした実績をしっかりと把握いただいた上で、枚方市のロケ地としての魅力をまとめたWEBコンテンツを作成するなど、できることはあると思います。
また、ロケ地の誘致だけでなく、歌やアニメなどにも、枚方市の豊かな地域資源が取り上げられれば枚方ブランドとしてPRされ、ひいては、商業の活性化・産業の振興になると思いますので、攻めの姿勢で取り組んでいただくよう、要望します。
さて産業の振興全般について考えると、地域経済の活性化はかかせないものです。
これからは、例えば商業振興施策であっても、他の分野にも、幅広い効果をもたらすような、事業を展開していただきたいと思いますが、検討の際には、あらゆるチャンネルを活用した情報収集、また一歩先を見据えての政策形成を行っていただきたいと思います。
そして今後、補助金制度での振興だけでなく、本当の意味での振興策となる、枚方市しかできないような取り組みを、枚方ブランドとして、中・長期的に行っていただきたいと思います。
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