EdTechによる教育の充実について 

令和元年6月定例月議会 開催日:2019.06.19

  • 次に、EdTechによる教育の充実について、お伺いします。

    昨年11月に文教常任委員会として、埼玉県戸田市にICT教育について視察を行いました。その際、戸田市で取り組まれている先進的なICT教育としてEdTechを活用した教育の質の向上についてお話をお聞きしました。

    EdTechとは、教育とテクノロジーを融合させ、テクノロジーの力で教育の環境を変えていくというものです。

    実際、戸田市においては「教育を科学する・教育のオープンデータ化」という観点で、活用できるツールの選択肢を広げ、学習履歴等のデータを収集し、教育のオープンデータ化を図る取組みや、教員の校務効率化を図る取組みを推奨することで、教員本来の仕事である子どもを教え育てることにより向き合えることも期待でき、教師という仕事の魅力度の向上に繋がるというお話をお聞きしました。

    枚方市としても、このEdTechに基づく取組みを進めていただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。

  • 次に、EdTechによる教育の充実についてお答えします。

    本市でも、学習履歴及び、継続的なデータの収集や活用については、重要であると捉えており、個に応じた学びの指導の充実・深化に向け、学習達成度や学習意欲、学習スタイルなどを把握し、弱点を補強できる学習コンテンツを導入しております。

    また、教員の校務の効率化を図るために中学校2校に、テスト採点やアンケートの集約などを自動で行える「デジタル採点システム」も導入し、教員が生徒と向き合える時間を作り出せる取組みをしております。

    今後、導入の効果を踏まえて、取組みの充実を図っていきます。

  • 本市として、EdTechについて意識していることについては一定理解しました。

    戸田市では今後、公正かつ個別に最適化された学びを展開するために、「一対多」から「一対一」を前提とした教育、個別指導型の学習指導への転換、異年齢・異学年集団の個別協働型授業の展開、そして映像・デジタル教材を活用することで、効率性・効果性を担保することや物理的なハードルを克服し、またVR等を活用して、足を運べない場所や目にすることのできないものについてリアリティを把握する学びの展開を考えておられます。

    このような戸田市の取組みを踏まえて、本市として取組みの方向性をお聞かせください。

  • 本市においては、現在、市内小中学校に導入している学習コンテンツの活用の充実を図ることにより、児童・生徒一人ひとりの学習達成度に応じた学習履歴を把握し、個々に応じた学習課題に向き合える学びにつなげるとともに、教員の授業改善に生かしてまいります。

    加えて、今後も児童・生徒一人ひとりが学びを深めるために映像・デジタル教材等のICT機器の活用や、民間企業等との連携も図りながら、効果的かつ効率的に児童・生徒の学びへつなげられるよう取組みを進めてまいります。

  • 今ご答弁にあった、「児童・生徒一人ひとりが学びを深めるためにICT機器の活用、民間企業等との連携により、効果的かつ効率的な児童・生徒の学びへつなげられる具体的な取組み」の一つが今年度から取り組まれている「未来学習研究事業」だと思われますが、1人1台のタブレットを活用した枚方市立第四中学校での取り組みはどのようなことが行われているのかお伺いします。

  • 「未来学習研究事業」は、今年度より、第四中学校を推進校として指定し、1人1台のタブレット型コンピュータを配備し、各教科等の特性に応じた効果的な取組みの研究を進めております。

    例えば、生徒は自分の考えをタブレットに入力すると、一人ひとりの意見が全体で共有され、可視化することが容易にできます。このことで、多角的に物事を捉えることができ、深い学びへつながる授業づくりができます。

    また、タブレットを使用することで、一人ひとりの学習状況を把握することができ、個人の特性や発達段階に応じた丁寧な学習支援が生徒の主体的な学びへつながると、考えております。これらの取組みによる好事例を推進校の成果としてだけではなく、市内全校の取組みに活かすことができるよう、公開授業や研修などを通して積極的に発信してまいります。

  • 引き続きの積極的な取り組みを要望します。

    次に、2020年度より全面実施されるプログラミング教育についてですが、戸田市では、学校が産業界等と連携して進めていくというお話をお聞きしました。

    枚方市においても民間企業と連携協定を結んで取組みを進めているとご答弁にありましたが、どのように取り組んでいるのかお聞かせください。

  • 本市は既に、民間企業との連携を図り、そのノウハウを活かしてICT機器の活用、プログラミング教育についても取り組んでおります。

    プログラミング教育については、市内研究指定校の取組みを基に、児童・生徒の発達段階に応じたプログラミング教育の実施に向けて、ICT機器を使用しないアンプラグドによるプログラミング教育、また、プログラミングソフトの活用や、その知識を活用した機器の操作等に取り組むなど、令和2年度からの新学習指導要領の実施を踏まえた情報活用能力の育成を図っております。

  • EdTechやICT機器を活用する力は、これからの未来を担う子どもたちにとって必要不可欠な能力になると考えます。

    ですが、テクノロジーありきとなり、EdTech自体が目的となってしまうことや、ICT機器を使用することが目的となるのではなく、一人ひとりの子どもたちの学習における学びのツールとして活用し、授業改善や教師の校務にも生かし、教育的効果が十分に発揮されますよう、要望いたします。