国民健康保険の運営について 国民健康保険室
平成30年 2018予算C日程 開催日:2018.03.26
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国民健康保険制度は、平成30年度からの制度改革によって、財政運営の主体が大阪府になるということで、予算説明書13ページにおいても、「保険給付費等交付金」という項目が新たに記載され、290億という巨額の予算が計上されています。
こうして予算説明書を見ると、改めて、国保の財布は大阪府に移ったことを感じる訳ですが、こうした行政内部の仕組みの変化は、市民の皆さんにとっては、目に見えるものではありません。
実際のところ、市民、特に国保の被保険者の皆さんが最も心配されるのは、制度改革によって自分たちにどのような影響があるのか、ということだと思います。
そこで今回の制度改革による影響はどのようなものと捉えていて、そしてそれをどのように伝えていくつもりなのか、お聞きします。
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制度改革による被保険者への影響につきましては、保険料をはじめ様々な面で生じてまいりますが、大阪府内においては、統一保険料となる標準保険料率が大阪府より示され、激変緩和期間である6年間を経た後、標準保険料率へ統一するという方針が示されております。
それまでの間につきましては、大阪府による激変緩和措置を盛り込みつつ、被保険者への影響がなるべく少なくなるよう、保険料率を設定してまいりたいと考えております。
また、人間ドック受診費用助成の助成額の引上げをはじめ、現在大阪府において健康づくりのポイント制度が新たに検討されるなど、保健事業においては、広域的な視点からの施策も含めて充実が進んでいく面もございます。
こうした内容につきましては、広報ひらかた4月号に概要の記事を掲載するとともに、ホームページや、被保険者に個別送付する文書の中に説明を入れ、丁寧に周知していく考えでございます。
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被保険者の皆さんにとって、保険料の見直しはやはり大きな関心事です。大阪府による激変緩和措置が盛り込まれたとはいえ、6年後の府内統一化に向けて、段階的に保険料などの見直しが進んでいく、そのことを十分に理解いただけるよう、市としても説明を尽くしていく必要があると思います。
また、保険料を語る上で、増え続ける医療費をどのように抑えていくのかも、重要な課題となっております。
特に、医薬品については、新薬の開発で多くの患者が救われる場合には、そのことで保険料が上昇するとしても一定の理解が得られるところかと思います。
しかし、身近なところでは、処方された薬を飲み忘れたり使い忘れたりして溜まってしまい、使えるのかどうかわからない薬が引き出しの中に一杯、といったことも多々あります。
社会全体で見れば、こうした損失も大きなものになると思いますし、こうした薬の代金が積み重なった結果、保険料が上昇していると言われても、釈然としない思いです。
国民健康保険では、医薬品に係る医療費の適正化について、どのような対策を講じているのか、お聞きします。
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国民健康保険制度では、類似する医薬品を複数の医療機関で処方されるなどの「重複服薬」について、医療費の適正化の面だけでなく、多量摂取などの健康リスクもあるため、レセプト点検から対象を抽出し、保健指導を実施しております。
また、先発医薬品に比べて安価となるジェネリック医薬品の利用促進を図るため、ジェネリック医薬品に切り替えた場合の効果額を示した通知文書を被保険者に送付しており、平成30年度も、これらの予算を計上しているところです。
議員ご指摘の、いわゆる残薬問題につきましては、国民健康保険として具体的な取り組みを行っておりませんが、一部の薬局・薬剤師においては、服薬指導とともに残薬管理にも取り組まれており、適切な管理は医療費適正化につながるものと考えております。
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先ほど申しました、家庭の飲み忘れの残薬も、先ほど担当課長からの答弁にありました、重複服薬やジェネリック医薬品につきましても、つまるところ医薬品の管理の仕組み自体に、まだまだ改善の余地が大きく残っている、ということかと思います。
枚方市薬剤医師会でも、一人ひとりの薬の管理を適切に行えるよう、かかりつけ薬剤師の利用促進を呼びかけておりますし、また最近では、スマホの中に薬の情報をまとめて入れることができる「電子お薬手帳」などのツールも誕生しております。
今回は医療費適正化の観点を入り口として、医薬品に関する質問をさせていただきましたが、医薬品の適切な管理と服用は、副作用や中毒などのリスクを抑え、健康寿命の増進にもつながる重要な課題でありますので、保険者として国民健康保険でも積極的に対応していただきたいと思います。