(仮称)総合文化芸術センターについて

平成30年 2018予算A日程 開催日:2018.03.20

  • 一般会計予算説明書152ページから155ページに計上の総合文化施設整備事業費、458ページに記載の(仮称)枚方市総合文化芸術センター整備事業に係る債務負担行為限度額についてお伺いします。

    これまでの質疑と重なるところもありますが、再度の確認ということで、よろしくお願いします。

    まず、この2つの予算額の合計は総額131億5,470万円で、先の委員協議会で示された整備費総額142億7,500万円よりも少なくなっています。

    整備費総額には、今回の予算額には含まれていない、すでに執行済の過年度経費や、将来に予算化される経費が含まれているようですが、確認のために、今後の予算化の時期等について伺います。

    また平成30年度には、関連事業として報告のあったリムジンバス発着場にかかる工事とラポールひらかたの改良工事も行われると聞きますが、これらの費用は、今回の予算額に含まれるのか、合わせて伺います。

  • 過年度の費用については、平成27年度から29年度にかけて設計費として2億6900万円を支出しています。

    また、将来の予算化分として、平成32年度に植栽工事等、別途発注する工事費用や、今後、精査が必要ですが、備品購入費と開業費などを併せて7億円強を見込んでいます。

    また、「リムジンバス等発着場整備」と「ラポールひらかた改良整備」に係る費用は、平成30年度の総合文化芸術センター整備事業経費には計上していませんが、「リムジンバス等発着場整備」の2千万円につきましては土木費に、「ラポールひらかた改良整備」の1億1,100万円につきましては、福祉費にそれぞれ計上しております。

    これらの費用につきましても、総合文化芸術センター整備費142億7500万円の中で見込んでおりますが、工事の性質上、別費目に計上させていただいております。

  • これまで、想定事業費が大きく変動したこともあり、今後の事業展開においても、大きな追加経費が発生するのではないかとの懸念が示されていました。総合文化芸術センター整備事業に関する予算額の精度というか、増加リスクについて、見解を伺います。

  • 本年2月の委員協議会におきまして、(仮称)総合文化芸術センターにかかる整備費142億7500万円をお示しさせていただきました。

    その内、工事費については、これまでは他市類似施設の㎡単価に基づいた概算額として算出していましたが、今回は、設計内容に基づき、一定の精度を持つ積上げ積算を行った金額でございます。

    現在、平成30年10月の工事開始に向けて、設計は一定固まっており、今回、お示しした整備費142億7500万円の予算を超えることがないよう、対応してまいります。

  • では、事業の実施時期について、東京オリンピックにより建設工事費が高騰しているから、オリンピック終了後に実施すべきだとの意見もありますが、現在および今後の工事発注環境について、どのようにとらえておられるのか伺います。

  • 2020年開催の東京オリンピック関連工事が既に始まっている中で、一般社団法人建設物価調査会による調査では、請負ベースの工事費である「建設費指数」は、この数年はほぼ横ばいという結果です。

    建築費に係る将来予測は難しいものの、現時点では今後も大きな変化は無いものと見ております。

  • 大きな公共施設整備事業を行う場合、事業内容に関わる基本的なこと、例えば、どこに、何を、どういった内容で建てるかは、設計業務に着手する前に確定させなければ、設計自体が無駄遣いになります。

    そこで仮に今、新庁舎を合築する考え方で作業をやり直した場合、その検討期間や設計費用はどの程度になると見込まれるのでしょうか。また、それが枚方市駅周辺再整備事業に与える影響について、見解を伺います。

  • 仮に、現在の総合文化芸術センターと庁舎の事業枠組みを見直し、総合文化芸術センターと庁舎を合築しようとする場合、その合意形成に期間を要することとなります。加えて、合築で整備を進めるための整備計画等の策定や、基本設計・実施設計の作業など、相当の期間が必要になるものと思われます。

    次に、再度の設計費につきましては、現段階において庁舎の規模が定まっておらず、具体的な数字をお示しすることは困難ですが、総合文化芸術センターの設計費は約3億円であることから、庁舎との複合施設となれば、これまで以上の設計費用が、あらためて必要になるものと考えています。

    文化生涯学習室課長

    市駅周辺再整備事業に与える影響につきましては、あくまで仮定となりますが、市駅周辺再整備ビジョンの実現に向けて連鎖的なまちづくりを進めている中で、文化芸術拠点や生活サポート拠点の考え方などが変わることになりますので、現在進めている基本計画の策定作業やビジョンの見直しなど本事業への影響があることから、時間と費用がさらにかかると考えられます。

    市駅周辺等活性化推進部 課長

  • 次に、事業コストについてお尋ねします。総合文化芸術センターと新庁舎を合築したほうが建設コストの軽減を図れるという意見がありますが、単体建設、合築建設に関するコスト比較について、あらためて見解を伺います。

  • 単体施設の場合と比べ、総合文化芸術センターと庁舎を合築する場合、ホールと合築施設との遮音・防音対策が必要となります。

    なお、ホールは柱のない大空間となりますので、その上に合築施設を積み重ねる場合、荷重を支えるための構造補強費が必要となります。仮に、庁舎を積層した場合には、遮音・防音対策で14億円程度、さらに積層する規模によりますが、構造補強費も追加的に必要となります。

    並列に庁舎を整備する場合には、小ホールを大ホールの上に積み重ねる必要があり、遮音・防音対策で約14億円程度、また、ホールが上下に位置することに伴うエレベーターなどの追加機能の整備費でさらに2億円程度の費用が必要となります。

    加えて、合築の場合、交通量が大幅に増加しますので、大規模な立体駐車場の整備コストも追加的に必要となると思います。

  • 次に事業の効果を測る指標と、総合文化芸術センターにおける事業展開について伺います。

    「平成30年度当初予算の概要」73ページに(仮称)枚方市総合文化芸術センター整備事業の内容が説明されていますが、事業概要には、施設の整備目的を「優れた文化芸術の鑑賞機会を提供し、集客とにぎわいを創出する新たな文化芸術拠点をつくるため」と記載されています。

    現在、公共事業を実施する際、抽象的な事業目標だけではなく、KPI、すなわち主要業績評価指標の設定が不可欠です。

    市として、総合文化芸術センターに関する基本となる成果をどのような数値をもって測定する考えか、伺います。

  • 総合文化芸術センターについては、施設の稼働率を高め、多くの方に利用していただく施設とする必要があります。

    そこで、ホールや美術ギャラリーなど、主要な施設への来館者総数を、立ち上げ当初の開館後3年までは年間約30万人、開館4年目以降については年間約33万人を目標値とする考えです。

  • 「集客とにぎわいを創出する」ことは結局、どれだけ多くの人に総合文化芸術センターを活用いただけるか、この施設に足を運んでいただけるかということだと思います。

    現在、市民会館大ホールとギャラリーの来場者は約22万人とのことですので、ご答弁の数値目標は、現在の約36%アップになります。大切なのは、この目標をどのようにして達成するかということです。

    文化芸術施設ですから、「優れた文化芸術の鑑賞機会を提供して集客する」のは当然の役割として、私はこの施設が文化芸術を愛好する人たちのためだけの施設になってはいけないと考えています。

    そこで最後に、施設の特徴を生かして「集客とにぎわいを創出する」ために、どのような幅広い事業を展開するのか伺います。

  • 文化芸術の拠点施設として、「優れた文化芸術の鑑賞機会の提供」をはじめ、子どもや高齢者、障害のある方など、様々な立場の人が参加しやすいワークショップの実施など、社会包摂の趣旨も踏まえた幅広い事業を展開する考えです。

    また、貸館事業においては、専門スタッフがサポートすることで、幅広いジャンルの舞台公演や展覧会、セミナーや講演会・コンベンション・レセプションなど、多種多様な利用ニーズに応えてまいります。

    そして、様々な目的を持った人が集い、交流する施設として運営することで、市内外からの集客と賑わいの創出につなげ、経済波及効果が高まる事業展開に努める考えです。

    また、施設前広場や広場に面した多目的活用施設・エントランスロビーでは、日常的にラポールひらかた・関西医科大学病院の利用者の方々にも広くご活用いただきたいと考えています。

  • これまで数点確認させていただきましたが、整備費についてはこれ以上増大することのないよう、着実に推進いただきたいと要望します。