学習指導要領の改訂について

平成29年12月定例月議会 開催日:2017.12.06

  • 学習指導要領の改訂についてお伺いいたします。

    新学習指導要領には、基本的な考え方として子供たちに求められる資質・能力とは何かを社会と共有し、連携する「社会に開かれた教育課程」等が重視され、また、主な改善事項として道徳教育・外国語教育・情報活用能力の充実等が示されています。

    報道を見ていますと、情報活用能力の中で「プログラミング教育」がクローズアップされていることがあります。

    本市は新学習指導要領の2020年全面実施に向けて、「プログラミング教育」等、今回の主な改善事項について、現在、どのように取り組んでおられるのかお伺いします。

  • 学習指導要領の改訂について、お答えします。

    小中学校において特別の教科となる道徳、また、小学校中学年における「外国語活動」、高学年における「外国語科」については、新教材による指導方法の研修を行うなど、準備をすすめているところです。

    小学校段階でのプログラミング教育については、プログラミング言語を覚えることではなく、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」を育むことが求められています。

    このことを踏まえ、プログラミング教育とは「論理的思考力を身に付けるための学習活動」であるという考え方を、教職員に周知しているところです。

    併せて、プログラミング教育に関する情報収集に努め、必要な環境整備を進めるとともに、文部科学省の指定校における実践事例の研究を進めているところです。

    学校教育部長

  • プログラミング教育について、言語そのものの習得が目的ではなく、どのような職業でも求められてくるプログラミング的思考、論理的思考力を身に着ける学習であるというご答弁でした。

    こうした考え方を教職員だけでなく、プログラミングという言葉だけが先走りしないよう、保護者にもしっかりご理解いただくよう取り組みをお願いします。

    さて、新学習指導要領における主な改善事項に、伝統や文化に関する教育の充実が挙げられています。

    我が国や地域社会における様々な文化や伝統に親しむことは大切であると考えていますが、本市はどのように取り組んでいるか、お伺いします。

  • 伝統や文化に関する教育は、今回の改訂において、より一層の充実を図ることが求められており、各校においては、児童・生徒の発達段階を踏まえ、各教科等の学習の中で取り組んでいます。

    例えば、小学校国語科では、古典などの暗唱により言葉の美しさやリズムを体感させたり、中学校保健体育科では、剣道の指導を行い、我が国固有の伝統や文化に触れることができるようにしています。

    また、小学校第3・第4学年では、社会で使用する副読本として「わたしたちのまち 枚方」を全児童に配付し、枚方市の歴史や伝統に対する理解を深める教育を行っています。

    学校教育部長

  • 枚方市では、改訂以前から、わが国固有の伝統や文化、また枚方市の歴史や伝統について学び理解を深める取り組みが行われてきたことは一定理解しました。

    今回の改訂で、より一層の充実が求められているわけですから、地域とも連携しつつ、取り組みを充実させていただきたいと要望します。

    次に、新学習指導要領における主な改善事項には、体験活動の充実も挙げられています。体験活動では、自然の中での集団宿泊体験活動や職場体験の重視が掲げられていますが、本市は集団宿泊体験活動や職場体験等の体験活動は充実しているのでしょうか。

    また、体験活動の重要性について教育委員会の考えをお伺いします。

  • 集団宿泊体験活動については、例えば、小学校第5学年が林間学校でカレー作りをしたり、中学校の修学旅行において、各農家にファームステイするなど、自然や文化に親しむとともに、よりよい人間関係を築く活動を市内全小中学校で実施しています。

    職場体験については、例えば、飲食店で接客や配膳をしたり、介護施設で高齢者の方と触れ合うなど、勤労の尊さ等を体得する活動を、市内全中学校で実施しています。

    教育委員会としましては、各学校において、学年や教科を通じて体系的・継続的に体験活動を実施していくことが重要であり、今後も、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童生徒や地域の実態に応じた教育課程を編成するよう指導していきます。

    学校教育部長

  • 集団宿泊や職場体験といった体験活動についても、これまでと同様に、新学習指導要領の改訂趣旨を踏まえた取り組みを要望しておきます。

    さて最後に、全国的に「全国学力・学習状況調査」がクローズアップされ、報道等では学力向上の取り組みとして、国語や算数・数学等の教科に取り組みに偏りがちになるという指摘もあります。

    国語や算数・数学の充実、またこれまで5教科5教科と言われてきた、英語、社会、理科といった科目での指導の充実を図ることはもちろん重要です。

    しかし、変化が激しい、前例が通用しない、新しいものを生み出していくことが求められている時代には、子どもたちの感性やセンス、美意識、創造性を育むことが、重要であると感じています。

    新学習指導要領でも重要視されているプログラミング教育や体験活動の充実が挙げられているように、総合的な学習の時間はもとより、副教科と呼ばれてきたような音楽・美術・保健体育・技術家庭などの各教科等の特性に応じた学習活動の充実を図ることが、求められてくると思います。

    そこで、総合的な学習の時間や音楽・美術・保健体育・技術家庭などの教科等の充実を図り、魅力ある枚方の教育につなげてもらいたいと思いますが、教育委員会の考えをお伺いします。

  • 本市では「学びあい、つながりあい、一人ひとりの未来をひらく」という教育目標のもと、「知・徳・体の調和のとれた『生きる力』を育み、子どもたちの未来への可能性を最大限に伸ばす学校教育を充実させること」をめざしています。

    各学校の教育目標に基づき、各教科等及び各学年相互間の関連を図り、系統的、発展的な指導を通して、教育活動の質を高め、各学校の地域の特色を活かした魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。

    学校教育部長

  • 子供たちの未来の可能性を最大限に伸ばす。

    そのために、学校生活での日々の様々な機会を通して、子供たちにとって発見の、そして成長の場面が得られるよう、学習指導要領の改訂趣旨を踏まえた取り組みを行っていただきたいと要望しておきます。