全国学力・学習状況調査結果の分析、活用について
平成29年6月定例月議会 開催日:2017.06.21
- 全国学力・学習状況調査の分析、活用についてお伺いします。市長の平成29年度市政運営方針では、「全国学力・学習状況調査の結果をもとに全国平均との比較・分析を行うなど、学力状況をよりわかりやすく公表するとともに、分析結果等をもとに、より効果的な施策につなげる」とありますが、平成28年度「教科に関する調査」の結果を分析しての見解をお尋ねします。
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次に、全国学力・学習状況調査の分析、活用についてお答えします。
全国学力・学習状況調査には、「知識」に関するA問題と「活用」に関するB問題がありますが、平成28年度において、小学校では、国語Aと算数A・B問題、中学校では数学A・B問題において全国平均を上回る結果でした。これは、各学校において、作成した学力向上プランに基づいて、課題に正対した取組を続け、その中で授業改善のための校内研究の充実を図ってきた成果の一つであると捉えています。また、枚方市独自の少人数学級編制、教職員研修等による効果の表れでもあると捉えています。
一方、小・中学校ともに、「必要な情報を読み取りながら、自分の考えを書く、話す」などの活用力を問う、国語B問題に課題が見られました。課題解決に向けて、授業の中で、言語活動を効果的に位置づけるなど、さらなる、授業改善の取組を進めていく必要があると考えています。
- 算数・数学に成果が見られ、国語の「活用」に関するB問題に課題が残ったということでありますが、このような分析結果を、どのように活かしていますか。
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教育委員会では、本調査の結果分析等により明らかになった成果と課題を踏まえ、「考えたことをノートにしっかり書く」などの授業の流れを示した「Hirakata授業スタンダード」を作成し、この「授業スタンダード」に基づく授業の確立・定着をめざして取り組んでいるところです。特に、重点を置いていることとして、各学校の学力向上の取組の中で好事例を校長会、研修等で発信し、全校で情報共有するとともに、各学校における授業研究や研究協議会の充実が図れるよう指導主事等が指導・助言しています。
各学校では、学力向上担当者を中心に、学力向上委員会や教科会、学年会等の組織を効果的に機能させて実践・検証を行い、児童・生徒一人一人の確かな学力の育成に取り組んでいます。
- 全国学力・学習状況調査には、学習意欲や学習環境、生活の側面等に関する質問紙調査があり、学力と生活・学習習慣は相関関係が高いと言われていますが、これらの分析結果を、どのように活用しているのかお尋ねします。
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質問紙調査の分析結果からは、「家で、学校の授業の復習をしている」や「授業時間以外の1日当たりの勉強時間」の項目において、全国と比較すると肯定的回答が下回っており、家庭学習の取組に課題がみられました。「家庭学習の充実」については、学力と生活習慣の相関関係が高いことから、規則正しい生活の中で毎日の学習時間が確保されること、計画的に授業の復習等に取り組むことが重要であると考えています。
教育委員会では、家庭学習の充実については、学校と家庭が連携して取り組んでいくことが大切であることから、「家庭への7つのお願い」を作成、全家庭に配付し、家庭学習の確立・定着に努めています。また、各学校においては、「家庭学習の手引き」の作成・活用、自ら課題を設定して取り組む「自主学習ノート」の活用など、さらなる家庭学習の充実、自ら学ぶ力の育成を図っています。
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それぞれの学校において、その地域に合った取組が行われていると思いますが、より効果的に取組を行っていくために、各学校において平均正答率を公表することで、各学校が当事者意識や責任感を持って臨めると考えています。
各学校の結果公表における平均正答率の公表については、どのように考えていますか。
- 調査結果の公表については、本調査の実施要領に基づき、保護者や市民によりわかりやすく公表するという視点を踏まえながら、成果と課題を明確にし、その課題に正対した方策を示していく必要があると考えています。
その趣旨を踏まえた公表の中で、平均正答率については、それのみをもって全てを評価できるものではありませんが、重要な指標の1つであり、分かりやすく伝える有効な方法であると考えております。
- 様々な分析結果からもわかると思いますが、子どもたちの学習理解というのは、一人一人によって違います。学習が苦手な子どもたちには、手厚い支援が必要だろうし、得意な子どもたちには、さらに学力を向上するための支援が必要です。そのために、私は、子どもたちの理解度に合わせて、クラスを分けたりする習熟度別の少人数指導による支援が効果的だと考えますが、いかがですか。
- 本市における習熟度別の少人数指導については、現在、大阪府の習熟度別指導推進事業による加配教員を活用し、計画的に、教科の内容によって、一人一人の児童生徒の理解や習熟度を把握した上で、個に応じたきめ細かな指導を行っています。このような習熟度別による少人数指導は、学力向上に向けた有効な指導形態の一つであると考えています。
- 習熟度別の指導については、効果を確認できあてはめができるものと、またそぐわないものがあると思いますので、できるものについてはより習熟度別の指導を推し進めていただきますよう要望します。全国学力・学習状況調査が平成19年度から実施されるようになり、早10年以上が経ちますが、この調査の教育施策に関する有用性については、どのように考えておられますか。教育長にお伺いします。
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全国学力・学習状況調査は、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを目的に実施するものです。
本市では、この間、本調査の結果等の分析を踏まえ、その改善を図るため、自学自習力支援システムの導入とこのシステムを活用した「放課後自習教室」の実施などの教育施策に反映してきました。
学校においては、今年度から、本調査をより効果的に活用するため、8月の結果返却を待たずに、実施後速やかに全教員で問題を解く時間を設定するとともに、自校において独自に採点・結果分析に取り組み、児童生徒の実態把握や日々の授業改善に早速活かしています。
このように、本調査を活用し、本市の一人一人の児童生徒の学力向上につながる本市の教育施策、日々の授業改善に活かすことができることなどから、有用であると考えています。
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全国学力・学習状況調査については、出てきたものを日々の教育施策や授業改善に活用できていることが一定確認できました。特に、全教員で取り組んでいただくことで他人ごとにせず学校全体として取り組む姿勢は大事と思います。
またこれまで4月の実施にもかかわらず9月の結果ということでタイムラグが発生し、年度中に活かすことに課題があると指摘されていましたが、この点も改善されることが期待できます。今後も、その結果のみを目的とすることなく、子供達の教育指導の充実や学習状況の改善につなげていただきますよう、要望します。
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