教諭によるいじめ・体罰問題について
平成25年第2回定例会(第2日) 開催日:2013.06.17
- 次に、教諭によるいじめ・体罰問題について。
全国的に体罰問題が注目される昨今、枚方市においても、しっかりとした対応、具体的には迅速さや公開性が必要と考えます。
平成25年3月に明らかになった枚方市立小学校の男性教諭による体罰問題にかかわって、これまで教育委員会は体罰に対してどのように対応してきたのでしょうか。
また、過去5年間に教育委員会が把握し、対応した枚方市内小・中学校での体罰事案は何件あったのかと、その処分の程度をお聞かせください。
- 2.教諭によるいじめ・体罰問題について、お答えします。
体罰は学校教育法第11条で厳に禁止されており、刑法上の責任や民事上の責任も問われかねない重大な事案です。
教育委員会は、さらに体罰は児童、生徒の人権を侵害する行為であり、教育の場である学校園から一掃しなければならないとの認識のもと、市内学校園の校園長を初め教職員に対して校園長会やさまざまな研修を通じて、繰り返し指導してまいりました。
また、過去5年間に対応した体罰の事案は今回の事案を含めまして4件です。1件は停職6カ月、もう1件は停職3カ月です。他の2件につきましては、今年2月に実施した体罰に関するアンケートの結果を踏まえて事実関係を調査し、大阪府教育委員会に報告しております。
石田義明教育委員会事務局学校教育部長 - 次に、教諭によるいじめ・体罰問題について。
枚方市の教育委員会としては、体罰を一掃していかなければならないという認識で、繰り返し指導してきたとのことです。過去5年に対応した体罰事案は4件とのことで、2件は停職の処分をされ、2件は大阪府教育委員会に報告中とのことです。過去5年間に枚方市の全校で4件と考えますと、ほかにはなかったのかと感じます。
さて、体罰として相談があり、調査の結果として、対応が必要でないもの、指導の延長線上のもの、人によっては体罰だと、いや、そうではないと認識が分かれるものがあるのだと思います。
そこで、教育委員会の認識として、教諭の指導上、どのような行為が体罰に当たるのかをお伺いします。また、あわせて体罰に係る処分の流れをお聞きします。
- 文部科学省の通知では、「教員等が児童生徒に対して行った懲戒行為が体罰に当たるかどうかは、当該児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的及び時間的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する必要がある。」、「その懲戒の内容が身体的性質のもの、すなわち、身体に対する侵害を内容とするもの(殴る、蹴る等)、児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの(正座・直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等)に当たると判断された場合は、体罰に該当する。」とされています。
また、体罰に係る処分の流れですが、監督責任のある校長が事態を把握、報告し、報告を受けた本市教育委員会が詳細について事実確認を行い、任命権者である府教育委員会へ報告します。府教育委員会は、大阪府人事監察委員会に諮り、処分を決定いたします。
石田義明教育委員会事務局学校教育部長 - 体罰の考え方、また処分の流れについてはわかりました。
それでは、平成25年3月に明らかになった枚方市立小学校における教諭の体罰事案について、お伺いします。
教育委員会として、今回の体罰事案が発生したことや継続していたことは、一体何が問題であったかと把握していますか、お聞かせください。
また、今回の事案を教育委員会が把握後、本市小・中学校全体に対してどのような対応をとられているのか、お聞かせください。
今回の事案にかかわっては、この件を伝え聞いた保護者から、校長に相談をしても対応が不十分になっているのではとの不安の声をお聞きしますが、保護者からの相談に対して教育委員会がとられている対応についても、お聞かせください。
- 今回の事案が生起しましたのは、当該教諭の体罰に対する認識に課題があったため、校長は体罰禁止の指導を行いましたが、徹底できませんでした。また、校長が把握していたにもかかわらず、市教育委員会へ速やかに報告がなかったこと等が問題であったと認識しております。
本事案把握後、事案の重大性を認識し、処分の重さを受け止め、緊急に臨時校園長会を開催し、教育長による訓示と学校教育部長による実効ある服務研修の実施、体罰を許さないという学校作り、指導力の向上に係る学校全体での取り組み、教職員の人権意識の育成の4点を指示しました。さらに、全学校園に対して、枚方市生徒指導マニュアルを使用した校内研修を早急に実施するとともに、毎年繰り返し研修することを指示いたしました。
また、保護者からの相談に対しましては、丁寧な対応を行い、保護者の思いをしっかりと酌み取り、保護者と学校が信頼を深めるよう努めております。
石田義明教育委員会事務局学校教育部長 - 枚方市立小学校での体罰事案がメディアで取り上げられて以降、保護者の間でも自分たちの学校が大丈夫かという不安が広がっている中にあって、今後は二度と体罰がないように、体罰をなくしていくなどのメッセージを発信するなど、積極的に教育委員会としての考えを市民に発信することが大切です。
また、教職員に向けても同様の発信が大切であります。特に刑事上、民事上の責任が問われるリスク、可能性があることをしっかりと指導すべきです。
体罰事案以降、本市教育委員会における体罰に対する姿勢について、教育長にお伺いします。
- 子どもたちのことを第一に考え、子どもたちが毎日、笑顔で楽しく学校に通い過ごしてくれることを願っております。
今回、当該小学校の子どもたちにつらい思いをさせたことに心を痛めておりましたが、新年度になり、進級した子どもたちは毎日楽しく学校生活を送っており、少し安堵しているところです。しかしながら、短時間で心の傷は消えるものではありません。引き続き心のケアに努めてまいります。
体罰は、児童、生徒の人権を侵害する行為であり、教育の場である学校園から根絶しなければならないと考えております。今後も、体罰根絶に向けての取り組みを全力で進め、保護者、市民からの学校園に対する信頼を一層高めるよう努めてまいります。
南部一成教育長 - 体罰の根絶と信頼回復に、全力で取り組んでいただきたいと思います。特に教育長に、学校現場に直接、積極的に足を運んでいただきたいと思っております。
さて、平成25年4月11日に開催されました文教委員協議会の際に、本事案を受けて、体罰問題を教育委員会だけでなく、市長部局と連携し対策を考えていくと副市長からお伺いしました。
また、市長は、平成25年度の市政運営方針において、「個人の尊厳を損なう行為を許すことのないよう、一人一人の人権が尊重されるまちづくりに取り組みます。」と力強いメッセージを発信されています。
しかし、本事案では、報道されている内容や市教育委員会からの報告の中身を見ると、人権問題にもつながるとも思える行為が見られました。本事案に対し、市長がどう思われたのか、また本事案を受けて、本市の今後の対策について、市長の考えをお伺いします。
- 本事案を受けまして、体罰事案が二度と起こらないよう教育委員会と市長部局が連携し、人権が尊重されるまちづくりに取り組んでまいります。
竹内 脩市長 - 私的には、本事案に対して市長がどのように感じられたのかという率直な感想をお聞きしたかったのですが、他市では、市長自身がイニシアチブをとって、こういった問題に当たっているところもあります。強い決意をもって事に当たっていただきたいと要望しておきます。
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- 6月議会 平成25年度議会報告, いじめ, 体罰, 平成25年第2回定例会(第2日), 教諭