視察:東京都杉並区
7月22日 豊島区の庁舎のあとは、東京都杉並区に行ってきました。杉並区では、子育て応援券について学びたく、担当課からお話を聞かせていただきました。
私自身、山田宏前区長にかなり影響を受けていますし、教えをいただいていたので、その手がけられた政策ということで、より興味を持って聞くことができました。
子育て応援券で地域づくり
子育て応援券とは、バウチャー。
子育てをしている家庭に、区内での登録された子育てのサービスに活用できる券を配るものです。
(現在は、無償のものと、有償にプレミアムをつけたものと2タイプ)
ここまでだと、バラマキじゃないかと話がありそうです。
しかし、この券のポイントは、あくまでも
【人と人とのサービスに活用する、つながりを作っていく】
これを基本理念に掲げているところです。
第一には、杉並区の出生率が歴史にないくらい下がっており、このことを改善したいということがあったそうです(これはどこも抱えている問題ですね)。
それに加え杉並区の特性として、(両親と同居じゃない)核家族が多数を占めている。地方から出て来ている方が多く、子育てしている方の地域とのつながりが希薄である。このことが課題としてあったそうです。
当時の山田区長は、こうしたことを解消する点から単なるバラマキではなく、人と人とのつながりを作っていき、またその受け手であった保護者も、担い手にも発展していけるような子育て支援の仕組みをはじめました。
それが【子育て応援券】のはじまりです。
(ニーズとしておむつ買いたい、みたいな話もあるそうですが、それは趣旨に反するということでやっていない、とのことでした。)
また、券制度の立ち上げ時に、子育てサークルの立ち上げ等もかなり支援していたようで、券(いわゆる、箱ですね)だけを作っただけではない、というところもポイントかなと感じました。
制度としては、前例のないものとして、何度となく見直しがあったものの、今は安定期になってきているのかなと感じました。
無料券の活用だけでなく、有料でも券が買われているようで、保護者間でもその有用性か認識されていることがよくわかります。
出生率の問題は改善されては来ているけれど、定住の問題が・・と話がありました。形を変えていきながらも、効果はあるということを話されていました。
(最初の立ち上げは、全国に例がないもののため、とても大変だった・・ようです)
枚方市では、定住人口の減少、という問題を抱えています。
それは生死という自然増減ではなくて、流入流出の問題です。
私は、この子育て応援券が一つの材料になりうる、と考えています。ただ、ばらまくためのものではなく、理念をもって、思いをもって制度を作っていく。
山田さんの本を読みなおしたい、これからも頑張っていこ!と胸が熱くなる時間でした。短い滞在時間でしたが、しっかり学び、刺激を受けてきましたので、これからに活かしてまいります。
次世代にツケを残すな!