九州編 長いので約8分割してます。これは2日目 4のうち1つ目です。端折ってますが、基本見たままなのでかなり長文、失礼します。
2日目1 ホテル杉乃井の地熱発電所 温泉は有限、硫化水素が機械をダメにする?】
<杉乃井地熱発電所>
- 昭和56年11月 運転開始
- 設置場所 大分県別府市
- 出力 1,900kW
- 深さは300m(!)(先日の八丁原は760~3,000mであったことを考えると浅い)
- 蒸気の使用量は毎時15トン(これも先日の八丁原890トン)
※約30年前は45t時、2006年時に24t時。減っているということです。
<歴史>
大正14年、東京電灯株式会社によって、1.12kWの地熱発電に成功。(海軍省も実験)
昭和55年にホテル業界では初めて本格的な地熱発電として運転開始(当初は認可3,000kW)
<仕組み>
地熱は、先日の八丁原編にて記述しましたが、マグマの熱だまり(地熱貯留槽)から蒸気を取り出し、(キャップで蓋がされている上部分)蒸気により、タービンを回して発電するものです。
蒸気井で蒸気を取り出し、タービンを回して発電。
ここでは、浅すぎるので還元井はないです。
還元井がないので、温泉と同じく、いつかは枯れる運命にあります。
冷却水については、シャーリングという(噴水に見えますが)器具により水を冷やしながら復水器へ。
余談ながら、周囲にも給湯事業としてお湯を配送されています。
<発電の現在>
現在は、ホテル使用の約46%を賄う。冷暖房や温水プール、イルミネーションなどで使われている。年間約2億円は光熱水費の節減になっている。現在5本の井戸のうち1本が使えなくなり、蒸気量の不足、出力が下がっている。
私、知らなかったのは、温泉が有限であることと、また、それに伴って、地熱もいずれは出力が下がるということ。
硫化水素が機械や自動車類に悪い影響があるらしく、パソコンや自動車がすぐにイカレルとのことでした(温泉の、あの臭いは硫化水素?ということは…吸いすぎは健康に悪い?)。
現在、この発電によって、地域に与える影響を調査中。(特殊なガスにより)影響の結果により、現在の発電、今後の掘りにも影響する。
新しい井を掘りたいが、規制が厳しい(八丁原は電力法の規制、杉乃井は温泉法の規制。温泉法の規制はとても厳しいということでした。住民の反対があれば、掘ることができない)。
外国(NZ等)からも視察があるが、外国ではガス質が悪く、周辺環境への健康の問題もあり、実用は厳しい。ということでした。
まとめ
まとめると
○自然エネルギー
○掘ること自体には、お金はそれほどかからない
×規制が厳しく、認可が下りない
×枯れるために出力は減っていく、有限のもの。
×掘れるかどうかはバクチ
4本のうち1本使えればよい。テスト堀りで一回1,000万円程度。
ということです。
電力会社でもない、一民間でもこのように発電できているというのは驚きでしたが、同じ地熱でも、八丁原とは性質・規模が異なると感じました。
1日目
太陽光発電編 完
風力発電編 完
地熱発電編 完
九重夢吊橋編 完
2日目
地熱発電編 完
次回 別府役所編
地獄めぐり編(早足でまわる)
昭和のまち編(大分県豊後高田市)