はじめに
大阪維新の会 大阪府議会議員団の 岩本ゆうすけです。
採決に先立ち、今定例会に上程されている諸議案等に対する我が会派の意見と態度を申し述べます。まず、我が会派所属議員の府政一般に関する質問の中で求めた内容について申し上げます。
2025大阪・関西万博について~児童・生徒招待事業、地元歓迎レセプション、若者訴求コンテンツの活用、周遊、成長戦略~
まず開幕まで118日と迫る大阪・関西万博、55年ぶりの万博は、大阪がさらに飛躍する千載一遇の機会です。
国際博覧会条約一条にもある通り、万博は『公衆の教育』を主たる目的とし、『達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望』を共有されるものです。万博での学び・体験は子どもたちの将来に大きな影響を与えると確信しています。児童・生徒招待事業により、一人でも多くの子どもが安心して万博を体験できるよう、市町村の教育委員会とも連携し、府として手続きの簡略化やモデルコース設定等のサポートを行うとともに、引き続き学校申し込みの対応可能という旨を全校に周知いただくよう求めます。
また万博は、大阪・関西の魅力に触れていただく意味でも、重要な機会です。大阪府・大阪市で実施する地元歓迎レセプションでは、大阪・関西の売りとなるものをPRするだけでなく、大阪・関西の成長・発展につなげるきっかけの場をしっかり提供できるよう、求めておきます。
開催期間中、来阪者に大阪府内を周遊いただくという点で、サイクルツーリズムは非常に期待値の高いものであり、快適なサイクリングの阻害要因となるメタルクワガタは答弁のあった部分以外も時代の要請に沿う形で再編するとともに、サイクルトレイン導入等、周遊・長期滞在に資するような取り組みを求めます。
あわせて、更なる賑わい創出に向け、eスポーツ・アクションスポーツなど若者にも強い訴求力をもつコンテンツ活用を求めます。
そして、大阪府・市では万博後の大阪の成長・発展に向けた戦略「Beyond EXPO 2025」を策定中ですが、かつて副都であり、天下の台所であり、東洋のマンチェスターであった、そうした大阪の歴史的・文化的背景を活かす、大阪の潜在可能性を顕在化するものとなるよう求めておきます。
子どもの心を豊かにする教育について
変化が激しい世界情勢にあって、他者と協働する力・困難なことに挑戦する力が求められています。学校教育において杉原千畝さん・八田与一さん・エルトゥールル号など、先人と現代を結ぶ人物教育はじめ、心を揺さぶられる機会を提供いただきたい。今議会でも不登校児童・生徒への対策について言及がありましたが、『こころの再生』府民運動はこうした部分にも大きく関わるものであり、子どもたちの豊かな心の涵養・感性の育成に取り組んでいただくよう求めます。
中高一貫校の設置について
大阪の府立高校の魅力向上・質向上につながる取り組みが必要です。現在、府立富田林中学校に入学した第1期生・第2期生が高校を卒業し、様々な検証が行われているとのこと。中高一貫校は全国的にも増加傾向、人気が高まっている状況です。府立による中高一貫校の増設を求めます。
持続可能なワンストップ支援センターについて
性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を踏みにじる行為であり、絶対にあってはならない卑劣な行為です。そして、被害直後の傷ついた被害者を支援する上で、ワンストップ支援センターは極めて重要な存在です。今般、性暴力救援センター大阪・SACHICOの存続が危ぶまれるなか、4万8千筆を超える署名、去る12月12日には警察・危機管理常任委員会にて請願審議もあったこと、我が会派としても重く受け止めています。
「ワンストップ支援センターの機能が途切れないよう、大阪府が取り組むべき」との請願の趣旨には全面的に賛成です。しかしながら、拠点となる病院にのみ負担が集中してしまう拠点型のワンストップ支援センターには、事業の永続性の観点から課題があり、将来の理想的な姿として連携型を目指すべきとの思いから、本請願の1項及び2項には賛成できません。
被害者に寄り添うセンター構築には、多方面の専門家からのご意見を伺うべきであり即ち、行政・学校・警察に加え、外部の医療機関や福祉・司法等の相談機関等との連携強化が必要不可欠です。未成年の被害者のことを考えると、産婦人科だけでなく小児科や精神科の関与も重要です。
9月の庁内ワーキンググループ設置は一歩前進と考えますが、医療的支援・法的支援・心理的支援等さまざまな面で被害者をサポートできるよう、外部専門家・有識者に参画いただき、連携型のワンストップ支援センターの早期実現を強く求めておきます。
大阪広域データ連携基盤(ORDEN)について
大阪広域データ連携基盤ORDENはスーパーシティの認定を受け、様々なサービス実績を持つ、我が国の自治体データ連携基盤を代表する基盤です。府主催の「自治体データ連携基盤共用化研究会」には9割近い広域自治体が参加しており、ORDENの共同利用による取組は、大阪が日本のデータ利活用社会をけん引する観点からも非常に重要です。
また8月に開始した大阪総合行政ポータル『my door OSAKA』は、府と府内市町村の行政窓口をORDENによりデジタルで一元化するものです。「デジタル都構想」と言えるこの取り組みを府域の基礎自治体へPRを進め、課題解決にしっかり対応いただきたい。
関西広域連合の近隣自治体にもORDENの共同利用を広げ、全国へと推し進めていただくことを強く求めます。
市町村の児童虐待にかかる人材育成支援について
児童虐待への対応は、虐待の予防・早期発見から虐待を受けた児童の保護及び自立支援まで、施策の幅広い展開が必要です。「重大な児童虐待ゼロ」実現には、児童虐待の未然防止が重要であり、住民に身近な市町村の対応力強化が欠かせません。
今年度から新たに、母子保健・児童福祉の連携・協働を深めるべく、市町村で市町村こども家庭センター設置が努力義務とされたものの、設置率は6割に留まっています。引き続き設置支援に取り組んでいただき、各市町村のセンターが有効に機能するよう、府の更なる支援を求めます。
全国豊かな海づくり大会の機運醸成について
令和8年秋に本府で開催される全国豊かな海づくり大会について、さる第1回実行委員会では、式典行事、海上歓迎・放流行事の開催地を決定、いよいよ動き出した段階です。
今後、大阪湾に面する自治体に留めることなく府内全域で広く機運を高め、大阪湾の魅力を積極的に発信していくことが重要です。機運醸成に取り組んでいただきつつ、老朽化の著しい研究所設備の改修を求めます。
府営公園の活用について
府ではPMO型指定管理等の可能性を探るため、先月20日から、せんなん里海公園や山田池公園をはじめ7公園でサウンディング型市場調査を実施しているところです。府営公園のポテンシャルは高いもの、利用者ニーズや事業展開の可能性を丁寧に発信することで、更なる民活の導入による公園の魅力向上が期待できます。各地元市町とも連携し取り組みを求めます。
終わりに
本年さまざまなことがありましたが、来年はいよいよ、万博の年。国際情勢も、国内情勢も混沌とした状況が予想されます。知事も以前仰っていましたが、大阪の将来を左右する大きな転換点であります。副首都構想を前進させ、東京一極集中を是正し、我が国の国際競争力を高めていく一年としていただきたい。
そして、府民1人1人が主役として豊かさを実感できる大大阪に向け取り組みを進めていっていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上、縷々申し上げましたが、本定例会の知事提出議案については、全て賛成を表明し、我が会派の討論とさせていただきます。ご清聴いただき、ありがとうございました。