• 今年三月に発表された第二次大阪府教育振興基本計画では、国の中央教育審議会の答申に触れながら、複雑で予測困難な社会の中で、子ども自身が自分のよさや可能性を認識し、多様な人々と協働しながら、持続可能な社会のつくり手となることができるよう、世界や地域とつながり、社会に貢献できる人物を育む教育の実現を目指すことが示されています。
    こうした人物を育むためには、複数の教科を横断的に学習し、地域や社会の課題に対して主体的に解決を図ろうと試みるなどの活動を通して、様々な角度から物事や社会の課題について考えを深められるような探求的な学習を充実させていく必要があると考えます。
    そこで、府立高校では探求学習についてどのような取組を行っているのか、高等学校課長にお伺いします。
  • 〇府立高校では、主に総合的な探究の時間におきまして、SDGsや地域の課題などから、自らテーマを設定し、情報収集を行い、まとめ、発表するといった探究学習を行っています。

    〇例えば、ある府立高校におきましては、総合的な探求の時間におきまして、市役所と連携をして、市の課題解決のために市のPRや名産品を考案したり、大学等の有識者から助言をもらい、地域の防災マップについて研究したりするなどの活動を行っているところです。
  • 府立高校における探究学習の取組について、一定理解しました。これからの社会を生き抜く高校生たちには、世界や社会・地域の課題に対し、主体的に解決を目指すような態度を身につけてもらうことが重要であると考えます。このような態度を身につけるためには、いのち輝く未来社会のデザインをテーマに、世界中の人々が集まり、持続可能な未来社会について様々な提案がなされる二〇二五大阪・関西万博の開催が絶好の機会でありますし、高校生がそれらの提案を間近で体験することにより、学びや価値観が大いに刺激されるのではないかと思います。
    また、開催までの期間中においても、いのちや環境、健康といった万博のテーマを取り上げ、高校生が地域や社会の課題を探求していくことは、万博開催への機運醸成にもつながるとともに、高校生が自らの生きる未来社会の担い手になることにつながるのではないかと考えています。
    そこで、府立高校において、万博のテーマと探究学習を結びつけた取組が重要であると考えますが、高等学校課長に見解をお伺いします。
  • 〇府教育庁では、総合的な探究の時間等において活用できる高校生向けEXPO教育プログラムという教材を万博推進局と連携して作成をし、全ての府立高校に配付をいたしました。

    〇加えて、今年八月に府内の全ての高校の担当教員が集まる教育課程協議会におきまして、本教材を活用した探求学習の実践事例について紹介をしたところです。

    〇今後も、高校生が万博のテーマでもあるいのちや環境、健康等の課題について、主体的に解決を図るような取組が行われるよう、本教材の効果的な活用について積極的に周知してまいります。
  • 万博がここ大阪で開催されることは、大阪の高校生が世界の様々な価値観や文化に触れることができるとともに、高校生自らが生きる未来社会を主体的に考えることができる絶好の機会であります。さきの御答弁では、高校生向けの万博教育教材が配付されているとのことでしたが、ぜひそれらを積極的に活用するとともに、高校生が万博に関連するテーマや未来社会について学習したことを発表する機会を設けるなど、万博や未来社会を自分事として捉えるような取組を充実いただきますよう要望します。
    公設民営である水都国際中学校・高等学校においては、民間の知見を活用し、特色ある教育活動が展開されています。特に今回取り上げさせていただきました課題探求型授業においては、この学校の取組も先行していると思われることから、ぜひ研究授業や講演会等で広げていただきますよう要望しておきます。