学校運営協議会について

  • さて府立学校の指示事項でも、(こういう風に学校を運営していくようにという趣旨で出されているものですが)この第4章では、多様な主体との協働が示されており、連携した取り組みが指示事項として入っていますが、先の質問で取り上げた某学校の場合、まさにPTAも、そして地域の方々等と連携がとれておらず、一人で問題を抱えてしまっているように映り、残念に思います。
    府立高校では、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めるため、すべての学校に保護者や地域住民等を構成員とする学校運営協議会が設置されていると聞いています。
    そこで、学校運営協議会の位置づけとその運営方法についてお伺いします。
  • (高等学校課長)
    ●学校運営協議会の位置づけとしては、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第47条の5により「学校ごとに、当該学校の運営及び当該運営への必要な支援に関して協議する機関として、学校運営協議会を置くように努めなければならない。」と規定されており、大阪府では、平成30年度より全ての府立高校に保護者や地域住民、学識経験者等を構成員とする学校運営協議会を設置している。
    ●各府立高校では、学校運営協議会を年3回開催し、学校経営計画や教育活動全般について協議を行うとともに、学識経験者から第三者評価として意見を伺い、当該年度の学校評価を行っている。
    ●そういった評価や協議内容を踏まえ次年度の経営計画を策定し、学校運営の改善を行うなど、開かれた学校づくりに努めているところ。
  • 学校運営協議会の位置づけや運営方法については一定理解しました。
    ただ、私は学校運営を進めるうえで、もっと生徒や保護者の意見を反映させるべきだと考えています。
    例えば、それが当たり前になっているがゆえに学校側として気付いていないかもしれませんが、生徒や保護者の視点からは、来客用スリッパが汚いとか、掃除が行き届いていないと映っているかもしれない。もしかしたら、こんなクラブ活動がしたい。学校の設備が汚い、はたまたいざという時に防火扉が機能しないかもと不安に思っているかもしれません。
    教育庁そして学校は予算を執行するうえで、学校が考える「優先順位」と生徒や保護者の「想い」に、認識のズレが生じているかもしれないという視点を持つべきと思っていまして、生徒や保護者の視点についても学校運営に反映させるべきではないかと思います。
    そこで、府立高校では、生徒や保護者の声をどのようにして学校運営に反映させているのか、高等学校課長にお伺いします。
  • (高等学校課長)
    ●府立高校では生徒や保護者の声を学校運営の改善に生かすため、毎年、学校生活や施設・設備等に関する満足度についてアンケートを実施するとともに、機会あるごとにPTAの会議や地域のイベントなどに赴き、保護者の声や地域の意見を聞いている。
    また、学校が実施したアンケート結果については、府教育庁において学校から聞き取り、それに基づいて各校に対し、必要な指導助言や支援を行っている。
  • 今のご答弁では、「生徒や保護者の声を聞き取り、それに基づいて各学校へ指導助言や支援を行っている。」とのことでしたが、具体的にどのように進めているのでしょうか。
    また、この言い方が適切かわかりませんが、いわゆる自浄作用が不十分であるような場合、どのように対応しているのでしょうか、併せてお伺いします。
  • (高等学校課長)
    ●府教育庁において、各校から聞き取ったアンケート結果に基づき、各校が策定する経営計画案について、校長・准校長一人ひとりと面談を行い、それぞれの学校の教育の質をさらに向上させることができるよう、個別に指導助言を行っている。
    ●また、このような指導助言を行ったとしても、学校現場の様々な場面において、保護者や地域から寄せられる意見に対して、学校だけでは対応が難しい場合、教育庁は必要に応じて適宜、校長・准校長と面談を行い、具体的な解決策を提案したり、学校と保護者との話し合いの場に教育庁が立ち会ったりするなど、その改善に向けて必要な支援を行っている。
    ●府教育庁としては、引き続き、全ての学校が生徒や保護者の意見を学校運営に反映させることにより、開かれた学校づくりを一層推進できるよう指導助言してまいる。
  • 教育庁としても、アンケートに基づいて聞き取りと指導助言し、またそれでも改善がなされない場合は話し合いに教育庁の職員さんが立ち会ったりして、教育の質の向上に向けて取り組まれていると答弁されました。
    私もアンケート、学校教育自己診断を確認しましたが、大阪府内すべての小学校・中学校・高等学校・支援学校で行われているとのことです。
    ただし、ある府立高校では、この学校教育自己診断において、特定の項目が下降傾向であることから、このことが学校運営に適切にフィードバックされておらず、PDCAサイクルが発揮されていないように思います。
    元のデータを少し加工したもので、3ポイント以内の変化は誤差として、上昇・下落で右に矢印をつけています。
    この学校で令和3年度から令和4年度にかけて教員さん向けで一番項目の下落が激しかったのは17番『学校として、部活動の活性化について工夫している。』でございますが、前年度から36ポイント減少しています。
    次に減少が著しかったのは32番『年間の学習指導計画について、各教科で話し合っている。』これは26ポイントの減少でした。
    おおむねこの学校の場合は、教員さんの項目はほぼ下落しています。
    そして、単純に減少ということで見過ごせない項目もありまして、31番『この学校では、初任者等、経験の少ない教職員を学校全体で育成する体制がとれている。』令和2年度75%から3年度に56%、4年度は39%と2年間で半減している項目もあります。
    教職員の方、ほぼ同じ方を対象に聞いていると考えると、2年連続だといよいよ改善が必要となってくる。こうした2年連続している項目もいくつかあります。
    ではそれぞれがイヤキチで答えているかというと、教員さんの35番『個人情報保護補のシステム』これは74→78→87と上昇している。
    そして保護者さんにもアンケートとっていますが、2番『他の学校にない特色ある教育活動に取り組んでいる。』これは今、公立高校を特色作っていこうとなっている中で、重要な項目ですが、48→55→61と増加をしているわけです。
    2年連続で上がっている項目もあり、ある程度実態を反映したものと言えそうです。
    先の質問であげました、保護者との話し合いに関していえば、教員さんの2番『教育活動全般について、生徒や保護者の願いに応えている。』こちらは16ポイントの下落。
    13番の『この学校では、生徒指導において、家庭との連携ができている。』10ポイントの下落。いずれも令和3年から4年にかけての変化です。
    評価して、出すのが一年遅れるわけです。今は、令和5年度。それで、私が話し合いに同席したのが今年度、先月です。
    保護者や地域の方・PTAさんがせんど、話し合いを持とうとしたりしても、聞く耳を持っていただけなかった。
    令和5年度の評価はこれからと思いますが、現実に私のところにそうした声が複数来ていることからすると、職員さん・生徒さん・保護者さんからの評価が、具体的な改善につながっているとは言えない状況なのではないでしょうか。
    個々の教職員さんの立場で言えば、自己評価を低く評価することによって、管理職の方ににらまれたらどうなるかなとか、生徒さんにすれば、少しでも学校がよくなってほしいと、勇気を持って回答したかもしれません。
    それが実際にフィードバックだったりとか、学校活動が改善につながらなかったら、そりゃ先生も子供たちもやる気なくなりますよ。アンケートに答えてるのに。全然よくならない、むしろ悪くなってる。
    そうしたことを踏まえると今回、いろいろと取り上げさせてもらいましたけど、言わざるを得ない。個人攻撃をしたいわけじゃありません。こういったことが現場で起こっている、ほかの学校でもこういうことが起こってるかもしれない、このことを知っていただきたと思って、取り上げさせていただきました。
    なので今回、学校の名前をあえて出していません。本当は出したかったですし、この学校もっと頑張ってほしいみたいなことも言いたかったですけども、そんな状況じゃないんです。
    私からしたら、この学校の名前を出すことが、結果として、その学校の人気がなくなったりとか、評判が悪くなるってことも、やっぱりそれは求めてることじゃないな。地域の方も真剣に考えてる、保護者も真剣に考えてる、そして生徒さんも楽しく学校に通ってる。先生方も、また校長先生もなりに一生懸命やってます。そういった方々の思いを無為にするわけにはいかないなと、状況だけ知っていただきたいと思って取り上げさせていただきました。
    この学校だけなのかもしれませんが、学校運営協議会という仕組みはあると質疑のやり取りさせていただきましたけれども、十分に機能を果たしていない状況があるんじゃないかと思っています。
    教育庁の皆様におかれては、全ての府立高校において、学校運営協議会が本来の機能を果たせるよう取り組んでいただきたいと思います。
    この評価・分析・改善のサイクルで更に言えば、「外部からの評価」というものが学校の質を高めることにつながると考えています。
    ぜひとも、外部からの評価、(今、学校の学校教育自己診断においては教職員さん・生徒さん・保護者さんによって行われていますが)私はこれからの社会を考えたときにやっぱり、新しいものを作っていかなきゃいけない、クリエイティブな力が求められている、今までにない価値を作っていかなきゃいけない、そういう視点からすると、変化の最前線で頑張っている方々から、今の学校がどう映ってるかということ、変化をしていかないといけない意味からは、外部からの評価が不可欠だと思います。
    是非とも、そうした機能を加えていただきたいと思います。
    社会が大きく変わっていく中にあって、学校自身が社会から評価を受け、その評価をもとに、改善に繋げていく仕組みを実行していきながら、専門性を持った人材・地域の大学・企業等の協力を得られるような学校運営を実現していってほしいと思います。
    「閉鎖的・同質的になりがちな学校」から、「真に開かれた学校」を目指し、教育の質向上に取り組んでいただきますよう要望して質問を終わります。