地域振興の取組について

  • 文化庁の事業の一つである「日本遺産」について、令和4年度における候補地域の認定審査が文化庁ホームページで発表され、本市を含む13の構成自治体が申請した「悠久の歴史を紡ぐ高野街道」というストーリーは残念ながら認定に至らなかったとのことです。
    ところでこの中に、既に認定を受けている宮城県涌谷町が代表自治体として申請した「みちのくGOLD浪漫‐黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる」というストーリーに、宮城県石巻市が新たに追加されたことも掲載されていました。
    私はこの、金の産出がストーリーの軸となっている「みちのくGOLD浪漫」について、日本初の黄金を算出した百済王敬福(くだらのこにきしきょうふく)は、東大寺の大仏の鋳造のために朝廷に献上し、聖武天皇を大いに喜ばせた、という史実をストーリーに加えることで百済寺跡(くだらでらあと)を構成文化財の一つとして追加できないか、令和元年12月定例月議会で質問しました。
    その際、認定ストーリーに合致するのかなどの課題について研究する必要があるとの答弁でしたが、このたび石巻市が追加されたことを踏まえ、改めて現在の状況をお聞きします。
  • 地域振興の取組についてお答えします。
    日本遺産「みちのくGOLD浪漫-黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる-」に百済寺跡を追加する取り組みにつきましては、これまで涌谷町と協議を行う中で「ストーリーの大きな変更となるので今すぐには難しい」との回答を得ていました。
    このたびの石巻市が追加されたことを受け、涌谷町に対し改めて本市追加の可能性について確認したところ、ストーリーとして認定されるには、枚方で金が産出されていたことや、みちのくのストーリーの文化圏であることなどが前提とされており、この基準に該当しない限り追加の可能性はない、との説明を受けました。
  • 日本遺産「みちのくGOLD浪漫」について、枚方市について追加の可能性がないとのことでした。
    先程も述べましたが令和元年の12月の質問以降、この間、経過報告もないまま担当課の動きが全く見えず、本当に追加認定について取り組まれていたのかと不信感を拭えません。
    今回の確認に至るまで、市としてどのように取り組んできたのかお伺いします。
  • (観光にぎわい部長)これまでの取り組みでございますが、昨年度は大阪府や涌谷町に対して追加認定の可能性について確認を行ったほか、今年度、輝きプラザきらら2階展示ルームにて開催した特別史跡百済寺跡展示で、涌谷町との繋がりを紹介するパネル展示を行いました。
  • 今取り組みについてご答弁いただきましたが、令和元年12月議会を振り返りますと、『なお、涌谷町とは、お互いの地域の活性化を図るためにも交流を深めていく考えです。』と答弁されており、私も具体的な取り組みを要望しましたが、この2年間、具体的な動きとしては、今年度令和4年度に入って、きららの2階展示ルームでのパネル展示のみにとどまっている状況です。
    また令和元年12月時点では、文化財課は教育委員会に所属していたところ、より機能的な政策推進、また文化・観光と連動した事業推進を図るためということで、機構改革によって令和2年4月から市長部局に移ったわけですが、この2年何をやっていたのでしょうか。
    当時、文化財の活用に向け、クラウドファンディングによる財源確保の案も掲げられていましたが、最終どうなったのかも分からないままです。
    そして昨年度の時点で追加認定の可能性について、今すぐには難しいとの情報を得ていたにも関わらず、なぜ情報共有されなかったのでしょうか。
    本当に残念でなりません。
    日本遺産については、歴史遺産を有効に活用する手法の一つとして追加認定を要望してきましたが、制度が大きく変わらない限り追加の可能性がないということであれば、特別史跡百済寺跡を今後どのように活用していくつもりなのかお聞かせください。
  • 百済寺跡は、古代寺院の景観がイメージできる再整備を進めており、築地塀の復元は令和5年度中に、再整備全体については令和6年度中の完成を目指し取り組んでいるところでございます。
    大阪・関西万博を契機とする、枚方宿を起点とした戦略的な観光施策を進めていく中で、百済寺跡につきましても枚方の魅力を楽しんでもらうための貴重な歴史遺産として、地域や民間団体との連携も視野に入れ活用を図っていく考えです。
  • 本市には様々な地域資源があり、その一つとして歴史的資源・文化財があると思っています。
    今後、観光だけでなく教育をはじめとする様々な分野においても、活用していくことが必要です。
    活用することで、市民の間に広まっていくことになり、思いが後世に継承されていくこととなり、結果として、それが文化財の保護にもつながっていくと考えます。
    そうした意味で、この二年間、市として文化財の、この案件の取り組みに対する思いが欠けていたのかなと思わされるところです。
    また地域や民間団体とも連携を行うというのであれば、しっかりコミュニケーションをとりながら、丁寧に物事を進めていくことが必要です。
    6月議会の質疑で、「文化財保存活用地域計画」を策定するということでしたが、今一度、文化財課の、観光賑わい部ミッションは何なのか、組織改編時の原点に立ち返っていただき、枚方市内の文化財に対し、様々な関係機関・思いのある市民や団体と一緒になって、保存と活用の両輪で地域振興の取り組みを進めていただくよう要望します。