枚方市の創業支援について

  • 次に、枚方市の創業支援についてお聞きします。
    現在、本市では、起業者への支援として、枚方市立地域活性化支援センターを運営しておられ、支援の一つに、「インキュベートルーム」があります。
    現在12室中4室が空き室となっていますが、まず、このインキュベートルームの設置目的と昨年度の入居実績をお聞きします。
  • 枚方市立地域活性化支援センターにおいてインキュベートルームは、新しい発想で起業しようとする人や新たな事業分野に挑戦しようとする人に対し、安価に事務所スペースとして貸し出しており、経営課題に対するアドバイスや事業者間交流などを通じ、自立に向けた支援・育成を行っています。
    また、令和元年度の入居実績としては、のべ11者にご利用いただきました。
  • 創業支援について、インキュベートルーム入居実績を答弁いただきましたが、昨年ホームページを確認した時には、半年以上5室の空き室がありましたし、他の同様の施設と比べると、稼働率が低いと思います。
    このインキュベートルームは創設後約15年が経っていますが、稼働率が低い要因をどのようにお考えでしょうか。
    また支援対象は、新しい発想で起業しようとする人、新事業分野に挑戦しようとする人とのことでしたが、現在入居する事業者は、どのような事業を展開されておられるのか、お聞きします。
  • インキュベートルームの稼働率が低い状況につきましては、交通が不便な点や利用時間の制限、入居手続きに時間を要することや認知度が低いことなど、様々な要因があると考えております。
    なお、現在の入居者には、IOTを中心とする医療用品などの開発に取り組んでおられる事業者などが入居し、新たな製品が生み出されている事例もあるという状況です。
  • 稼働率について答弁いただきましたが、周りに店が無いなど立地的な周辺環境の事もあるでしょうし、使用できる時間に制限が厳しいなど、運用上の問題もあると思います。
    他の地域でのインキュベートルームでは、カードキーで24時間使用可能、年6回入居審査を行っているところもあります。
    そこでこれから利用しようとする方や、現利用者に対しアンケートを行い、インキュベートルームに関する把握・課題整理してはいかがでしょうか。
    更なる創業支援に向け、すぐに解消できる課題なら対応し、大きな部分でも抜本的な改革を行っていただきたいですが、見解をお伺いします。
  • インキュベートルームの利用条件や入居手続きの簡素化などの見直しに向けて、過去の利用者をはじめ広くアンケートを行うなど、改めてニーズの把握に努めてまいります。
    また、立地条件などについては、様々な要因についての検討が必要と考えていますが、重要なポイントであるとの認識をもって対処していきます。
  • 最近では、新型コロナウィルス感染拡大でリモートワークが進む中、働き方・ビジネススタイルも変貌を遂げており、中小・ベンチャー企業においては、郊外へのオフィスの移転や縮小などでコスト削減を検討する企業もあるようですし、事業形態によっては、一部「オフィス不要論」も耳にします。
    駅近のレンタルオフィスやコワーキングスペースも増えてきていますが中には、交流の場としてのスペースも備えておられるところもあり、創業者どうしのコミュニティができ、その賑わいの中からビジネスチャンスを手にされたケースも多いと聞きます。
    パソコンひとつでビジネススタイルが成り立つシーンも増えた今、例えば会員制のコワーキングスペースも併設するなど、インキュベートルームでの支援も新たなスタイルに変わる時期と思いますが、考えをお伺いします。
  • 現在の地域活性化支援センターの施設において、運営の見直しで対応できることもあると考えます。
    議員ご指摘の貸室等の活用方法や、現在、行っている交流会のさらなる充実など、より利用者のイノベーションにつながる取組みが行えるよう、検討を行ってまいります。
  • これから新しい分野で起業される方にとって、今の施設環境はとても充実しているようには感じられません。
    しっかりと支援できる環境を、ハード面とソフト面両面から整えていただきたいと思います。
    また今後、例えば新たな支援として、産学官が連携してベンチャー起業者の自立への支援を行うなど、新たな体制作りも必要かと考えますが、そのあたりの見解をお聞きします。
  • 昨年度より新たに、市内事業者やさまざまな団体で構成する「ひらかた地域産業クラスター研究会」に対し、インキュベートルーム入居者が事業プレゼンテーションを行うなど、新たなイノベーションの場を設けました。
    また、効果的で実効性のある創業・ベンチャー支援事業に取り組むためには、金融機関や地域経済団体など、様々な支援機関と連携できる体制が必要であると考えます。
    そうした連携の中心的な役割を担う地域活性化支援センターにおいては、柔軟な発想でスピード感をもつことが求められることから、民間人材の知見を活かすことのできる仕組みについて検討してまいります。
  • 技術革新やコロナ禍等々、いま産業構造が大きく変わろうとしている中にあって、枚方市の創業支援についても転換期にきていると思います。
    駅前事業者など新たなビジネスパートナーと積極的に連携し、ハードとソフトを活用して、時代にあった創業支援策を打ち出す取り組みを展開いただきたいと思います。
    これについては先日門川議員からもありましたが、セミナーも単発で終わらせることなく継続して取組み、広く市内外に対し思いあるものの未だ踏み出せていない創業予備軍、創業を支援したい方々を囲っていくグループ化・サロン化も展開いただきたいです。
    加えて後継者不足も言われる中、事業承継による創業も大きなテーマとなると予想されますのでそうしたことも取り組んでいただきたいと思います。
    これからは、会社務めだけにとらわれず、働き方そのものが変わっていく中で、創業の魅力を子ども達にも伝えることが必要です。
    市内で起業されたベンチャー事業者が、学校で経験を講演されるなど教育委員会とも連携し、創業意識を高めるような教育にも取り組んでいただきたいと思います。