文化振興の機運醸成について
令和2年9月定例月議会 開催日:2020.9.16
- 本市では、市民の活発な文化芸術活動を背景に、鑑賞機会の充実やより活動が活発化する環境整備に取り組むなど、文化芸術が持つ価値や魅力をまちづくりに活かすため、平成26年4月に「枚方市文化芸術振興条例」を施行しています。
この条例については、全9条で構成されていますが、この条例の趣旨を達成されるために、どのような取り組みをされたのでしょうか、お伺いします。 - 【観光にぎわい部長】枚方市文化芸術振興条例は平成26年4月に施行され、同条例第7条に示されている、「文化芸術に対する市民の関心及び理解を深めるための普及啓発」や「子どもや若い世代が豊かな感性、創造性及び人間性を育むための文化芸術活動の機会の充実」など、11の基本施策を具体的に実施していくため、平成29年3月に枚方市文化芸術振興計画を策定し、現在、この計画に基づき、様々な事業を展開するなど、文化芸術の振興を推進しております。
- 枚方市文化芸術振興条例の趣旨を達成するために、枚方市文化芸術振興計画を策定し、それに基づいて進めているとの答弁でしたが、それでは、枚方市文化芸術振興計画に基づき、どのような文化芸術事業を実施してきたのか、お伺いします。
- 【観光にぎわい部長】枚方市文化芸術振興計画に基づき、実施している事業において、学校教育における文化芸術活動としまして、大阪フィルハーモニー交響楽団による「中学校オーケストラ鑑賞会」や本市の文化芸術アドバイザーである平田オリザ氏による「コミュニケーション事業」などに取り組んできました。
また、地域における文化芸術の振興を支える人材育成としまして、枚方市にゆかりのある若手芸術家による「枚方市アーティストバンク」を設立し、市立小学校へのアウトリーチ事業やアートスプラウトを実施するなど、様々な文化芸術事業を実施してまいりました。 - 枚方市文化芸術振興計画を踏まえ、様々な事業に取り組んでいることは理解いたしました。
こうした「中学校オーケストラ鑑賞会」などといった芸術家の公演を数多く実施していくことも、本市の文化芸術の振興に資すると思いますが、より多くの方に文化芸術にふれ親しむような踏み込みをしていくべきと思っています。
例えば、ニッペパーク岡東中央において、合唱やダンスの練習に訪れる人やギターの弾き語りを行っているストリートミュージシャンなどが集まり、通りかかった人たちが見聞きしている光景をよく目にします。
このように、日常生活をしていく中で、文化芸術に触れる機会があるということも、文化芸術の裾野を広げていく観点から、大切なことだと思うのですが、市の見解をお伺いします。 - 【観光にぎわい部長】議員お示しの生活空間の中で文化芸術を感じていただくことも、本市の文化芸術活動の裾野を広げていく観点から、重要なことだと認識しております。
なお、本市では、ニッペパーク岡東中央を利用した参加無料のイベントに対し、「にぎわい空間創出事業」として支援しており、文化芸術をはじめ、様々な賑わいイベントに活用していただいています。 - 気軽に街中で文化芸術に触れることができること、そうした環境の整備・機運の醸成は、文化芸術振興ではとても大切なことです。
1つの例として、近年各地の空港や駅、商業施設など、多くの人が行き交う空間にピアノを設置し、誰でも自由に気軽に演奏できる機会を創出するストリートピアノの取り組みが広がっています。
ストリートピアノは市民や買い物に訪れた人々が、自由に弾いて楽しむだけでなく、音楽を通じて人々の交流が生まれ、思い出作りや感動を生む場にもなっています。
先に申し上げた駅や商業施設等に設置されるだけでなく、家庭で使われなくなったピアノの寄贈を募り、街角に設置して地域活性化につなげるケースや、展望台や役所の庁舎などに設置されているケース、民間企業の広報としての設置、期間限定イベントでの導入など、様々な事例があるようです。
いずれも、誰もが音楽に楽しめる、環境づくりに貢献するものです。
本市においても、民間事業者や地域団体と連携し、ストリートピアノのような取り組みを行って、文化芸術の裾野を広げていくことは大切だと思いますが、市の見解を伺います。 - 【観光にぎわい部長】ストリートピアノにつきましては、誰もが気軽に身近に音楽を楽しむ機会の創出の一助になるものと認識しています。
今後、ピアノの保全管理や設置場所、警備などの課題について、全国の事例を調査してまいります。 - ストリートピアノは、何気ない日常の中で自然と音楽に触れ、楽しむことができ、文化芸術に親しむきっかけを与えてくれるものです。
また、ピアノの音色を通じて、たくさんの人が立ち止まり、新たな出会いが生まれ、ひいては地域の賑わいや魅力づくりにつながっていき、文化芸術を超えた様々な効果が期待できます。
動画サイトYoutubeではストリートピアノを弾く方、また聞き入る通行人といった動画が多く投稿され視聴されており、こうした発信がうまく組み合わされば枚方市としての新たな魅力にもなります。
ストリートピアノの設置には課題もあると思いますが、他市の事例も参考にして、市としてコーディネート役を担うなど、実現可能なところから取り組みを進めていただきたいと思います。
繰り返しになりますが、通勤通学や日々の買い物など、生活空間の中で文化芸術に自然に触れるような環境であることが、文化振興の裾野を広げることにつながっていきます。
それが枚方市の魅力につながっていくはずです。
こうした取り組みを通し、枚方市としての文化振興の機運醸成を図っていただくことを要望して質問を終わります。
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