鳥獣による農業への被害防止について
令和元年12月定例月議会 開催日:2019.12.16
- 先ごろ、本市の東部地域・穂谷区において鳥獣による農業への被害、特にイノシシによる被害が多発しているとお聞きしました。
地元の方は、大変なご苦労をされておられますが、本市としてどのような対策を講じておられるのかお尋ねします。
また広域的な観点から、大阪府と連携した取り組みについてもお尋ねします。 - 産業文化部長 鳥獣による農業への被害防止について、お答えいたします。
本市では、農業被害防止対策業務を公益社団法人「大阪府猟友会」に委託しており、平成29年度はイノシシを19頭、30年度は17頭を捕獲してきたところです。
また、大阪府においては、府内各市町村と連携して、鳥獣被害対策指導人材育成講習会に取り組んでいます。
昨年9月には枚方市内において開催し、イノシシ被害防止対策の先進事例の紹介や参加者による意見交換を行い、本年9月に交野市で開催された講習会には、本市の農業者や市担当職員も参加しております。 - 本市や大阪府においての鳥獣による農業への被害防止対策について、一定理解しました。
さて本市や大阪府の取り組みとは別に、地元の農業者の方々は、自ら圃場の周りに電気柵を設置、イノシシの防御に努めておられます。
こうした地元農業者の取り組みも行われる中、鳥獣による農業への被害防止対策について、市としての今後の方針をお尋ねします。 - 産業文化部長 山の領域空間は、人里の周囲の「里山」、そこから深く入った森林の「奥山」、そして、さらに険しい「岳(たけ)」に大きく区分されます。
本来、野生動物は奥山に生息し、里山や人里に近づくことはありませんでしたが、数十年の間に荒れた里山が増え、里山が里山でなくなり、奥山が人里の近くまで拡大してきたことが、イノシシによる農業への被害の本質的な要因であると捉えております。
現在、東部地域において、地元住民とボランティアの方々により、里山保全活動が行われておりますが、増え続ける竹林を伐採するなど良好な里山環境を取り戻し、現在の里山のエリアを広げていくことで、鳥獣による農業への被害防止対策につなげてまいりたいと考えております。 - 被害を受けている東部地区の山は、枚方市だけでなく、奈良県生駒市、京都府京田辺市に囲まれています。
農業への被害発生は、両市とも共通する問題です。
参考に両市の被害防止対策状況を調査しますと、両市とも猟友会へ補助や委託など行うとともに、上限はあるものの電気柵等の設置費にも補助金を交付されているとのことでした。
先ほど答弁があった里山保全活動も中長期的には効果があると考えますが、他市の対策事例を参考に何らかの短期的な対策を検討できないか、お尋ねします。 - 産業文化部長 地元からは、鳥獣による被害防止対策として、電気柵設置は一定の効果があるものの、圃場へ浸食する竹藪対策など里山環境を取り戻すことが、本質的な解決策であるとのご意見をお聞きしております。
市としても、野生動物が近づきにくい里山エリアを広げていくことが、効果的な被害防止であると考えております。 - 農業への被害をもたらすイノシシにとっては、山の中は府県境の無い状態です。
府県を越えて隣接する市が連携し、鳥獣被害の対策に取り組むことは有効と思いますが、市の考えをお尋ねします。 - 産業文化部長 鳥獣被害対策を効果的に進めるにあたっては、隣接市との広域的な連携も重要であると考えております。
今後も引き続き、大阪府や交野市との連携に努めるとともに、府県を越えた生駒市、京田辺市とも様々な情報を共有し、鳥獣被害対策の拡大に繋げてまいります。 - 今回、市の姿勢も確認できましたが、枚方市としてできることはまだまだあると思います。
まずは情報収集、近隣自治体と連携いただきながら、短期・中期・長期それぞれでしっかり対応していただきたいと要望します。
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