社会の変化に対応した人材育成のあり方について

2018年9月定例月議会  開催日:2018.10.02

  • 市民ニーズの多様化や制度の変遷など社会の変化、また行政組織の効率化と経費の節減に向け、これまでの間、地域との協働や民間委託・民営化などが進められてきました。

    ごみ収集業務や学校給食調理業務など定型的業務については、民間への委託が進んできましたし、近年ではコンビニで住民票等の発行、保育所の民営化、コールセンターの設置、また今年度からは、生涯学習・図書館施設への指定管理の拡大など実施されてきたところです。

    こうした業務の委託化などにより、現場での業務も徐々に減ってきています。一方で、業務を外部に委託するだけでなく、窓口職場や内部事務についても、委託はしていないものの、正職員に代わって非常勤職員などが対応していることもあると思いますが、この間の、正職員と非常勤職員などの配置割合の状況についてお伺いします。

    以上で一回目の質問をおわります。

  • 平成29年度の再任用職員を含みます正規職員の構成割合は70.4%となっております。

    本市ではこの間、組織として最適と考える任用・勤務形態を活用することにより、厳しい財政状況にありましても、市民ニーズに応えることのできる効果的・効率的な行政サービスの実現に努めてまいりました。

    こうした背景の下、非正規職員は、平成19年度には791人、構成割合は約21%でございましたが、平成29年度には1,202人と約400人増加し、構成割合も10%程度増加している状況にございます。

  • 業務の委託や非常勤職員などでの対応により、これまで正規職員が直接担ってきた定型的な業務は、正規職員以外により行なわれている状況が増えています。

    今後、ますます多様化する市民ニーズに対応するためには、先ほどRPA等の新技術を活用しての行政改革を申し上げましたが、既存の手法にとらわれない様々な取り組みの中で人的リソースを生み出し、生み出された人的リソースにより、市民サービスを充実させていく必要があります。時代の変遷に対応していかなければなりません。

    そういった意味でも、まさに正規職員が直接担う業務自体が変化してきていると思いますが、このことを踏まえ、市として職員にどのような能力を求めるのか。

    また、正規職員が担うべき業務とは何か、ひいては「公」として担うべきものは何かを、今一度、認識しておく必要があると考えますが、将来を見込み、市が求める職員像について、見解をお伺いします。

  • 本市が、様々な行政課題に対応しながら市民サービスを向上させていくためには、職員一人ひとりが公務員としての深い自覚の下、個々に持てる能力を高め、本市の組織力・行政力の向上に繋げていくことが何より重要であると考えています。

    こうした認識の下、本市では、人材育成基本方針におきまして、「コンプライアンスを実践する職員」、「市民と向き合い説明責任を果たす職員」、「柔軟に対応する職員」、「自ら考え行動する職員」の4つを「本市の目指すべき職員像」として示しますとともに、これを実現していくための「求められる資質」に、「高い倫理観」・「全体の奉仕者としての責任感と自覚」のほか、「市民感覚」・「コスト意識」など8つを掲げ、職員一人ひとりが自ら学び育つことのできる「自律型職員」となるよう人材育成に取り組んでいるところでございます。

    総務部長

  • 目指すべき職員像、求められる資質について答弁いただきました。

    それでは職員を採用した後、そのような本市が求める人材育成のために、どのような研修を実施されているのでしょうか。

    また、長年勤務する職員には、その時々の社会情勢に対応できる能力が必要だと思いますが、その能力を身につけることができるよう研修のあり方を変え、人事評価にも繋げていく必要があると考えますが見解を問います。

  • 研修のあり方、内容を決定するにあたりましては、常に「4つの目指すべき職員像」と「8つの求められる資質」の醸成を強く意識しますとともに、毎年、社会背景も踏まえ、改善を図りながら、基礎研修から能力開発・専門研修、また階層別研修や派遣研修に取り組んでいるところでございます。

    また、評価制度におきましては、情報収集力・独創的な企画力・市民感覚・臨機応変な実行力など、情勢適応の能力も重要な資質のひとつとして評価項目に取り入れ、人材育成のツールとして活用しているところでございます。

    今後も引き続き、社会の変化や、多様化する市民ニーズに柔軟に対応できる職員の育成に取り組みますとともに、職員の能力や成果を適切に評価し、給与、任用等に反映することで、職員のモチベーションの向上と意識改革を図り、市民サービスのさらなる向上と充実に繋げてまいりたいと考えています。

    総務部長

  • 市民ニーズの多様化や制度の変遷など社会の変化に対応し、行政の組織体制やサービスが変わってきましたが、求められる職員像もまた大きく変わってきていると思います。

    近年、様々な団体・活動主体が増えてきていることから、そうした力を最大限に引き出すことで、市民ニーズに応え、社会的課題を解消させていくことも求められます。

    こうしたことを踏まえ、職員採用・研修のあり方・人事評価をはじめ、様々な機会を通し、社会情勢を的確に把握・対応していける人事制度を構築いただくことを要望します。