学校のプールについて
2018年9月定例月議会 開催日:2018.10.02
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学校のプールについてお尋ねします。子どもたちの中には、塩素や紫外線、アレルギーによりプールに入ることが難しい子どももいると聞いていますが、どのような基準で対応されているのでしょうか。
また、水泳指導はどのような基準で行われているのでしょうか。
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次に、学校のプールについてお答えします。
水泳指導に関しては、「学校における水泳プールの保健衛生管理」や「プールの安全標準指針」等に基づいて子どもの安全に配慮し実施しています。
また、水泳指導の基準につきましては現行の「学習指導要領」の内容について、『関心・意欲・態度』、『思考・判断』、『技能』といった観点に基づき、各学年の評価規準を定め、系統的な水泳指導を行っております。
加えて、各小学校においては、教育委員会が提供した「枚方市水泳進級表」を活用し、子どもたちが主体的に水泳に取り組み、確実に泳力の向上をはかれるよう、工夫しながら取り組んでいます。
学校教育部
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学校のプールについて、水泳指導にあたり「枚方市水泳進級表」を活用、子どもたちが主体的に水泳に取り組み、確実に泳力の向上をはかることを目指しているという事でした。
学校での水泳指導充実には、教員の指導力向上が課題と考えますが、教員の研修をどのように実施しているのかをお伺いします。
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水泳指導の教員研修につきましては、基礎的・基本的な実技指導法の習得を目的として、毎年、小学校初任者を対象に、水泳を専門とする講師を招聘し、実技研修を実施しています。
また、今年度新たに、小学校教員を対象に、同じく専門の講師による「水泳指導研修」を3回実施しました。
これは、各小学校の代表教員に、実践的指導力を身につけることを目的として、基本的な指導法から、クロールや平泳ぎの本格的な泳法指導、さらには発展的な指導に至る内容で実施しました。
参加した代表教員は各校において、受講した内容を自校の教員に伝えるなど、教員の水泳の指導力向上を図っています。
学校教育部長
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学校で水泳指導を行う際の規準、指導力向上のための取組については一定理解しました。
小学校の教員でも、水泳指導については得意・不得意もあると思います。その意味で、水泳指導研修は必要性があるものと思います。
では水泳指導の結果の一つとして、子供たちがどの程度児童の泳力を養うことができたのかお尋ねします。
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小学校では日々の水泳指導において学習指導要領に基づいて系統的に指導し、児童が着実に泳力を身につけることができるよう取り組んでいます。
具体的には、今年度から活用している「枚方市水泳進級表」において、現段階では6年生では約7割の児童が50mを泳ぐことができています。次年度以降、継続的な泳力調査を通して、児童の泳力向上に努めてまいります。
学校教育部長
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約7割の児童が50m泳げるようになった、ということです。この数字だけが目的ではいけないと思いますが、一つの到達点として意味はあるものと思います。
さて次に、学校プール施設について確認ですが、薬品と給水による費用について小学校、中学校別にお聞かせください。
また、プール設備が老朽化している現状がありますが、整備等について、「枚方市市有建築物保全計画」や「枚方市学校施設整備計画」に基づいて行われているのか。
また、昨年度に実施した工事費についてお伺いします。
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昨年度の学校プールの塩素薬剤の1校当たりの経費につきましては、小学校では、約426千円、中学校では、約443千円でございます。
なお、1シーズンで2回程度のプールへの注水を行っておりますが、多くの学校では、1つの水道メーターで水量管理をしていることから、プールのみの使用水量の把握は困難でございます。
また、プール設備の老朽化に対する整備については、計画に基づいているものではなく、各学校園からの老朽化による修理要望に基づき、現地確認の上、順次工事を行っております。
昨年度に実施した工事費は、小学校3校、中学校2校におけるプールサイド等の改修工事として約3千178万円、また、小学校2校、中学校1校におけるプールろ過機の更新工事として、1千483万円でございます。今後も状況に応じて対応してまいります。
学校教育部長
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水道料金については、学校園の中で1メーターであることから、使用水量の把握は困難とのことでしたが、プールが空の状態に水を入れた場合、小学校の大プールが275㎡、1回につき約150千円、小プールが49.5㎡で約17千円。また中学校ではプールが450㎡、一回につき約265千円くらいかかる計算になります。
これが年2回、小学校45校・中学校で19校となれば、水道料金だけでも毎年約2510万円かかってしまうことになります。
また、プール設備の老朽化については、答弁から昨年は合わせて約4600万円近くのお金がかかっていますが、計画に基づいているものではないので、市が把握している公共施設の老朽化対応のお金に加えて、毎年数千万のお金が必要となってくることになるわけです。
薬品にかかるお金も同様です。施設面について、プールの補修費及び維持費がこれだけ高額なのであれば、民間施設の活用も一つの方法だと思います。
また、全国には、公民連携して学校における水泳指導を推進している自治体もあります。指導面についても、教員だけが指導するのではなく、専門的な指導者を活用してはいかがでしょうか。
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水泳の指導は教員にとって重要であることから、研修で学んだことを活かしながら、「学習指導要領」に基づき、指導の充実に努めているところです。
また、専門的な指導者の活用については、これまでも「学校支援社会人等指導者事業」や「いきいきスクール」により、児童が地域人材や中学校教員から専門的な指導を受ける中で、小学校教員の指導力の向上にもつなげており、今後も引き続き活用を図ってまいります。
学校教育部長
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すでに、「学校支援社会人等指導者事業」や「いきいきスクール」では活用されている実績があるという事でした。
泳力を向上させるという事に特化するならば、専門的な指導者の活用は効果があるものと考えますので、ぜひとも推進いただきますよう要望します。
今回、プールについて様々な観点からお尋ねしてまいりましたが、枚方市においては、水泳指導による子どもの泳力向上についてどのようにお考えか、教育長に伺います。
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水泳は、筋力・持久力・基礎体力アップにつながる全身運動として、泳力向上のみならず、成長期にある子どもたちの体力向上を図ることができる運動です。
また、「学習指導要領」においても、着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方等、命に関わることへの意識を高め、安全への理解を一層深めることができるものとして記載されています。
引き続き、水泳教室や研修をさらに充実させることで、子どもの泳力向上や教員の指導力向上に努めてまいります。
教育長
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ただいま、教育長からご答弁をいただきました。引き続き、子供たちの健全な成長を促し、実生活に生きるような指導の展開を要望します。
最後に、屋外でのプール指導については、環境の変化に伴っての猛暑や紫外線など、自校のプールだけで水泳を行うことには多くの課題があるのではないでしょうか。
そうした多くの課題に対し、一つの考えとして例えば屋根のあるプールを枚方市内に4か所程度、拠点として設けるのはいかがでしょうか。移動時間や引率等の課題はあるものの、学校の水泳指導に活用することができます。
施設にもよりますが、夏の時期だけでなく、年間を通して指導することも可能になります。平常時は市民に開放することもできます。
今をベストとするのではなく、PFIの検討をはじめ、拠点集約や民間施設の活用等、広い視野で考えていただくことを要望いたします。