淀川等の地域資源を生かしたまちづくりについて

2018年9月定例月議会  開催日:2018.10.02

  • 平成30年度市政運営方針において、市長は、「枚方宿や淀川舟運、楠葉台場跡、天野川七夕伝説などを重要な観光資源と位置付け」、公民連携・広域自治体連携のもと、「その活用や魅力向上に取り組む」と述べられました。

    こうした観光施策の取り組みの中、特に淀川舟運は、八軒家浜から枚方までの定期運航も1年を迎え、淀川に関連した食材を活用したお弁当の開発や船内での演奏会などの取り組みに加え、枚方船着場での乗船体験やみなと五六市など様々な取り組みをなされています。

    そこで、淀川の魅力を更に生かすためには、やはり枚方船着場から上流域を活用した新たな魅力開拓が必要だと思いますが、現在の取組状況についてお尋ねします。

  • これまでになかった枚方船着場から上流域の舟運に取り組んでおりますが、上流域は川の水深が浅く、航路確保のため浚渫が必要であり実現に至っておりません。

    現在、課題解決に向け関係機関と調査、研究を進める準備に取り組んでいるところです。

  • 私は、本市の観光資源となる地域資源の中で、最も重要なものの1つが「淀川」であると考えます。

    本市を含む近畿地方中央部において、ひいては日本において、淀川が持つ歴史的・地理的・環境的な価値は極めて高いものです。

    しかし、特に明治以降、淀川は大洪水を引き起こす「危険な川」、水道水などの取水や都市排水などのための「利活用する川」とされてしまい、現在は地域住民の関心は、生活の一部としての川という側面に重きを置かれているように思います。

    観光施策とは、観光客を集めることだけを目的にしたものではなく、地域の価値を地域住民自身が知り、誇りと愛着を持つことだと思います。

    ご答弁にありました、淀川上流域への延長を含め、舟で淀川を楽しんでもらえる事業は、地域のブランド価値の上昇、集客のために、とても魅力的なものだと思いますので、ぜひ、早期の具体化に向けて頑張っていただきたいと思います。

    次に、地域への誇りと愛着を育むという観点で極めて大切な、本市の子どもたちへの「郷土教育」についてお尋ねします。

    副教材「わたしたちのまち枚方」などの資料活用に加え、校外学習などで実際に淀川など枚方市内の地域資源を訪れる取組みが必要だと思います。

    小学校では地域資源を踏まえた「郷土教育」をどう行っているのか、教育委員会にお尋ねします。

  • 各小学校では第3学年・第4学年において、教科書に加え、枚方市の地域資源や歴史等を記した「わたしたちのまち枚方」を活用しております。

    具体的には、地域の地理的環境、人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きなどについて学習することを通して、地域(社会)に対する誇りと愛情を育てることに取り組んでいます。

    また、校外学習・社会見学として、「市立枚方宿鍵屋資料館」や「淀川資料館」を訪れるなど、本市の地域資源を活用した体験的な学習を実施し、枚方市や淀川の地理的環境や歴史の理解を深めています。

    平成32年度から新学習指導要領が全面実施となることから、この「わたしたちのまち枚方」についても、その趣旨を踏まえ、現在、改訂の準備を進めているところです。

  • 市内小学校で「市立枚方宿鍵屋資料館」や「淀川資料館」などを訪れ、地域社会への理解を深める郷土教育を進めていることが分かりました。

    枚方市に住み、学ぶ子どもたちについては、本市の良いところ、魅力に肌で感じてほしいと思います。だからこそ、淀川で舟に乗るという体験をしてもらい、あわせて淀川や地域の歴史、環境問題などを総合的に学ぶ取組みが大切だと思います。

    淀川舟運事業に取り組む産業文化部に、見解を伺います。

  • 観光施策において、短時間で淀川から見る枚方市や淀川の生態系、淀川舟運の歴史などを学べるプログラムの提供は学校教育だけではなく本市を訪れる多くの観光客にも有益であると考えておりますので、引き続き取り組んでまいります。

  • 地域資源である淀川を、子どもたちの学習に活用する考え方について一定理解できました。

    そこで、枚方船着場から上流域を活用する場合は川の水深が浅いことなども大きな課題ですが、具体化をするうえでは、河川管理者である国の機関は当然のことながら淀川周辺自治体、民間事業者など多くの関係者との連携が重要であると考えます。

    特に、枚方の上流域といえば、八幡市になるのですが、都道府県をまたいで本市と八幡市が連携するには、大阪府内の自治体連携よりも難しいと考えますが、先ほどの答弁にありました関係機関とどのように取り組んでいくかお聞きします。

  • 枚方船着場から上流域の事業化ですが、まずは、枚方船着場から淀川三川合流域さくらであい館までの事業化における課題を解決するため、八幡市、淀川河川事務所、民間事業者で課題整理をしたうえで、淀川流域自治体の首長で構成される淀川舟運整備推進協議会での検討が必要だと考えております。

    また、国の財政支援の獲得についても働きかけていく必要があると考えています。

  • 現在、国では2020年東京オリンピック・パラリンピック以降を見据え、産業競争力の強化という視点もあわせ持った「文化芸術立国」に向けた取り組みを強化しています。

    昨年12月には「文化経済戦略」が策定され、「我が国の文化政策は、今、歴史的転換期を迎えている」との認識のもと、従来の文化振興を超えて、文化芸術を核とした「成長と分配の好循環の拡大」による文化芸術振興と経済成長の実現をめざしています。

    国では、『文化GDP』という概念をつくり、2025年までに倍増させる目標を掲げてもいます。

    こうした状況の中で、市としては、文化芸術施策と経済活性化をどのようにリンクさせていこうとしているのか、お尋ねします。

  • 本市では、現在、文化芸術の振興の拠点となる(仮称)総合文化芸術センターの建設を進めております。

    こうした文化芸術拠点施設の整備により、枚方市駅周辺の賑わい創出にもつなげ、まちの魅力を向上させるとともに、交流人口の増加を図り、特に地域事業者との連携などによって経済波及効果が高まるように取り組みを進める考えでございます。

  • 今回、淀川等の地域資源を生かしたまちづくりについて取り上げましたが、枚方市には、淀川等の地域資源が豊富にあります。その可能性をまだまだ生かしきれていないように思います。

    今後も施策間連携、官民連携・広域連携を強化しながら、「地域の稼ぐ力」を引き出す取り組み、多くの方に魅力を伝えていっていただきますよう要望します。